1994 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロ・ファジィシステムによる建築物の最適適応予測制御システムに関する研究
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06650633
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
谷 明勲 神戸大学, 工学部, 助教授 (50155199)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 廣 神戸大学, 工学部, 教授 (70031119)
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Keywords | アクティブ制御 / ニューラルネットワーク / ファジィ理論 / 地震動入力予測 / 構造同定 / ファジィ最適制御 / 建築構造物 / ファジィ最大化決定 |
Research Abstract |
本年度は、ファジィ理論,ニューラルネットワークを用いた地震動入力予測,構造同定システムの検討を行った。地震動入力予測では、過去に観測された地震動加速度波形を基に、1)条件付ファジィ集合の考え方に基づくファジィルールを用いた予測,2)階層型のニューラルネットワークを用いた予測システムの2つの予測システムを構築し、その予測精度,適用範囲の検討を行った。構造同定では、対象とする構造物,採用する制振方法によって構造同定の対象が異なるため、対象構造物を2層建物と設定し、制振方法としては等価可変粘性型,等価可変質量型、等価可変粘性型と入力低減型の併用の3種類を考えた。これらの仮定に基づき、応答解析を実施し、簡単な応答方程式を仮定した場合,ニューラルネットワークを用いた場合について、同様にその同定精度,適用範囲等の検討を行った。特に、階層型ニューラルネットワークでは、ネットワークの設定方法が予測・同定精度に大きく影響するため、この点について種々の検討を行った。その結果、階層型ニューラルネットワークを用いた地震動入力予測では、学習時に出力層から入力層へのフィードバックを有する階層型ニューラルネットワークを用いると、従来の一般的な階層型ニューラルネットワークに比べて予測精度の向上が見られることが明らかとなった。また、構造同定に関しても、フィードバックを有する階層型ニューラルネットワークの方が構造物の応答予測精度が向上するが、学習に用いるデータで予測精度が規定される傾向が見られた。さらに、ファジィ最適制御に基づく制振シミュレーションでは、提案した制御アルゴリズムで、目的,制約条件に設定した帰属度関数の範囲内に制御できることが明らかとなった。また、最適制御変数を決定するに要する演算時間も短く、今回用いたパーソナルコンピュータの性能で、十分実際の制御に用いることができることもわかった。
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[Publications] 谷明勲,河村廣: "フィードバック型ニューラルネットワークとファジィ理論を用いた建築構造物の最適制御システム" 第9回日本地震工学シンポジウム論文集. 第2分冊. 2029-2034 (1994)
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[Publications] 谷明勲,河村廣: "フィードバックを有するニューラルネットワークを用いた建築構造物の最適ファジィ制御システム(2質点系の場合)" 第17回情報システム利用技術シンポジウム論文集. 439-444 (1994)