1995 Fiscal Year Annual Research Report
ニューロ・ファジィシステムによる建築物の最適適応予測制御システムに関する研究
Project/Area Number |
06650633
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
谷 明勲 神戸大学, 工学部, 助教授 (50155199)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河村 廣 神戸大学, 工学部, 教授 (70031119)
|
Keywords | ファジィ最適制御 / 予測制御 / 適応制御 / 最大化決定 / ニューラルネットワーク / 遺伝的アルゴリズム / アクティブマスドライバー / 多質点系構造物 |
Research Abstract |
平成7年度(最終年度)では、前年度までに得られた知見をもとに、より一般的な多層構造物へのシステムの拡張を試みた。構造物が多層化した場合、系が複雑になり、有効な構造同定システムを如何に構築するかが重要な問題となる。このような複雑な系の特性の同定には、ニューラルネットワークが有効であると考えれるが、従来の方法では多数回の試行錯誤を必要となり多くの時間がかかった。そこで、本研究では、遺伝的アルゴリズムを導入して、構造同定を行うニューラルネットワークの学習用データをシステマティックに作成するシステムを構築した。このシステムを5質点系構造物に適用し、得られた学習データを用いてニューラルネットワークを学習させた結果、構築物の頂部にAMDを用いたアクティブ制御に必要となる構造同定を有効に行えることがディジタルシミュレーション結果より明らかとなった。さらに、このニューラルネットワークを用いて5質点系構造物のアクティブ制御を行った場合でも、前年度までと同様に、設定した帰属度関数に沿う制御を実現できることもディジタルシミュレーション結果より明らかとなった。しかし、アクティブ制御シミュレーションを行った場合では、設定する帰属度関数や用いる地震波によっては有効な制御結果が得られない場合も見られ、学習時に設定する帰属度関数と制御時に設定する帰属度関数の関係,系の特性と入力地震動の関係等を今後明かにする必要があることもわかった。以上より、前年度までに構築したファジィ最適アクティブ制御システムを多質点系に拡張する場合に必要となる基礎的な知見やデータが得られ、今後検討すべき問題点等が明らかとなった。
|
-
[Publications] 谷明勲,河村廣: "フィードバック型ニューラルネットワークとファジィ理論を用いた建築構造物の応答予測手法に関する研究(1質点系構造物,GAを用いた構造同定用データの選定)" 日本建築学会近畿支部研究報告集. 第35号構造系. 325-328 (1995)
-
[Publications] Tani, A. and Kawamura, H.: "Fuzzy Optimal Control System of Buildings by Neural Network (In Case of Two-Degree-of-Freedom System)" Proc. of The Fifth International Conference on Computing in Civil and Building Engineering. Vol. 1. 253-260 (1995)
-
[Publications] 谷明勲,河村廣: "ニューラルネットワークを用いた建築構造物の応答予測に関する研究-建築構造物のアクティブ制御を対象として-" 計測自動制御学会関西支部シンポジウム「モデリングとシステム同定の最前線」. 71-74 (1995)
-
[Publications] 谷明勲,河村廣: "ニューラルネットワークを用いた多質点系構造物の応答予測に関する研究(GAを用いた学習用データの選定)" 日本建築学会第18回情報システム利用 技術シンポジウム論文集. 325-330 (1995)
-
[Publications] 谷明勲,河村廣: "ニューラルネットワークを用いた建築構造物のファジィ最適制御システム(5質点系構造物の場合)" 第3回ファジィ建築土木応用シンポジウム講演論文集. (発表予定). (1996)