1994 Fiscal Year Annual Research Report
暑中環境下で打設されるコンクリートの温度ひび割れ防止に関する研究
Project/Area Number |
06650636
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小山 智幸 九州大学, 工学部, 講師 (50215430)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松藤 泰典 九州大学, 工学部, 教授 (20037922)
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Keywords | コンクリート / 暑中環境 / 温度ひび割れ / 温度分布 / 脱水量 / 線膨張係数 / 引張り限界ひずみ / 若材令 |
Research Abstract |
種々の調合のモルタル及びコンクリートの線膨張係数を、打設後1日程度までの若材令時において測定した。この時期における線膨張係数は硬化後の値よりも大きく、材令と共に低下して硬化後の値に近づく傾向が見られた。線膨張係数の値に及ぼす温度の影響は小さく、調合の影響が大きい。 同時期の引張り限界ひずみ測定した結果、水和初期において伸び能力の極小値が生じる現象、いわゆる初期脆性が確認された。この極小値は温度が高いほど早い時期に生じ、値も小さくなることから、暑中環境では初期ひび割れが生じやすいこが明らかとなった。 同様に自己収縮の経時変化及びこれに及ぼす温度及び調合の影響に関して検討を行った。温度に関しては、初期脆性の現れる時期の前後では温度が高いほど収縮量が大きいが、それ以降は温度が高いほど収縮速度が早い時期に低下するため温度が高いものほど収縮量は小さくなった。調合に関しては水セメント比が小さい試験体では初期の収縮量は小さいが長期間収縮が継続する結果、大きな収縮量を示した。 表層部からの脱水速度の経時変化に関して推定式を提案し、実験結果と良く一致することを示した。これと水和発熱経時変化に関する既住の式を用いて、内部温度経時変化の有限要素解析を行く、外気温度や外気湿度の影響による温度変化及び表層部と中心部の温度差を精度良く算定できた。 温度分布から有限要素法により算定された引張りひずみと、実験により算定された引張り限界ひずみとを比較することにより、初期ひび割れは水和反応の加速期に生じやすいこと、また温度が高いほど初期ひび割れが生じやすいことを確認した。
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