1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650640
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
久米 国幹 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (00041525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有馬 冬樹 鹿児島大学, 工学部, 助手 (60232071)
三谷 勲 鹿児島大学, 工学部, 教授 (70037935)
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Keywords | 外壁仕上げ材 / 剥離 / 温度応力 / せん断付着強度 / 赤外線映像装置 / 剥離診断 / 厚塗りモルタル / 季節と方位 |
Research Abstract |
【温度応力による外壁仕上げ材の剥離に関する力学的検討】 1)モルタルが既に一部剥離している壁面で、剥離箇所の面積、その形状、モルタル厚及び剥離周辺部(健全部分)のせん断付着強度の関係から、壁体温度とモルタル板の座屈及び剥離周辺部に生じる応力を算定し、周辺の付着健全な壁面に剥離が伸展する条件を示した。2)付着が健全な場合の温度応力による接着面応力の算定式をエネルギー法と飛越荷重法を用いて求め、剥離が接着面の付着力(引張力)ではなく、せん断で起こることを明らかにした。 【赤外線カメラによる剥離診断法の検討】 壁面(60×70cm角)中央部に30cm角の1mmと2mmの浮き(周辺は付着健全)を有するモルタル塗り厚40.50.60mmの6壁体について、季節と方位別(秋期の実験は10月中旬から11月初旬に掛けて東面、西面及び南面で行い、冬季は1月中旬に南面と東面)に剥離診断の可能な時間帯並びにモルタル厚の限界について調べた結果、下記のことが明かとなった。1)剥離診断が可能な時間帯は季節によって異なり、冬季は秋季に比べ壁面が日照を受け始める時刻が遅く、かつ日照時間も短いため、剥離診断が可能な時間帯も短くなる。その傾向は南壁面ではあまり差はないが、壁面日照時間の短い東壁面に於ては特に著しい。2)モルタル塗り厚と浮き厚の剥離診断可能な時間帯の長さは大凡塗り厚に反比例し、浮き厚は比例する。 結果的には、秋季及び冬季の各方位とも、条件の悪いモルタル塗り厚60mm・浮き1mmの壁体でも剥離診断は可能である。しかし、その時間帯は極めて短く、特に西面では午後3時から40分前後に限られる。従って、秋季並びに冬季に剥離診断を行なう場合、診断可能なモルタル塗り厚の限界は60mmと思われる。
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