1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650643
|
Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
宇田川 邦明 東京電機大学, 工学部, 教授 (30013204)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 隆夫 日本鋼管(株), 建材技術開発部, 次長
|
Keywords | 80キロ級鋼 / 高力ボルト接合 / ボルト配列 / 縁端距離 / せん断接合実験 / 最大耐力 / 破断形式 |
Research Abstract |
1.実験 80キロ級鋼材を高力ボルト接合する場合の母材、及び添え板のボルト孔の配列と縁端距離が接合部材の最大耐力に与える影響を実験的に明らかにし、接合部材の幾何学的形状と破断形式の解明、ボルト孔の縁端距離制限と高力ボルト接合部の最大耐力の推定方法を提案することを目的としている。 2.実験と結果 鋼板の厚さは12mm、ボルト配列は2行4列、3行3列、4行3列の3種類、ボルト径はφ16で、摩擦接合としていない。実験は上記ボルト配列のもとで、縁端距離とボルト孔ゲージ間隔を実験変数として、ボルト接合部の単純引張り試験を行った。鋼板の破断形式はボルト配列と縁端距離の相違により有効断面破断、中抜け破断、外抜け破断、及び端抜け破断の4種類に分類され、各試験体の破断形式と最大耐力の関係を求めた。 3.考察 (1)鋼板の全強と縁あき距離 有効断面破断した試験体について、鋼板の実験で得られた最大耐力と全強(鋼板の全断面積×降伏応力度)の比を求め、鋼板の全強確保のための縁あき距離、及びゲージ間隔の関係を求めた。 (2)破断形式と最大耐力 4つの破断形式に対してそれぞれ最大耐力の推定式を仮定した。耐力式の中に含まれる係数の値(有効断面破断時の耐力上昇係数と他の破断時のせん断耐力係数)を各試験体について求め、それらの係数値を表す近似式を得た。近似係数値を用いた各試験体の最大耐力の推定値は実験結果とよく一致していることを示した。 (3)破断形式と鋼板の幾何学的形状 上記(2)の結果を用いて、ボルト配列と縁端距離により決まる鋼板の幾何学的形状と破断形式の関係を示す領域図を求めた。 4.まとめ 本年度の目標はほゞ達成できた。本実験結果を踏まえて平成7年度は当初の計画通りH形鋼はり継手部の力学的性状を調べ、80キロ級鋼のせん断接合部のボルト孔に関する設計資料を得る予定である。
|