1995 Fiscal Year Annual Research Report
緑樹帯による道路交通騒音の不快感の緩和効果に関する調査研究
Project/Area Number |
06650650
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
泉 清人 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (40002860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 隆 熊本大学, 工学部, 助教授 (30109673)
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Keywords | 道路交通騒音 / 社会調査 / 緑樹帯 / 防音塀 / 不快感 / 暴露-反応関係 / パス解析 |
Research Abstract |
1.調査概要 九州縦貫自動車道沿線で昨年に引き続き、防音塀のある地区とない地区を選定し、追加調査を行い、昨年度の調査結果と併せて検討した。回答者総数と有効回収率は、緑樹帯の効果に関する調査でそれぞれ268、92.4%であり、防音塀の効果に関する調査で387、79.5%であった。 2.分析結果 緑樹帯の有無および防音塀の有無によって、騒音の暴露量(L_<eq>)と反応(%very annoyed)との関係を比較した。緑樹帯や防音塀のある地区の反応はない地区と比べて有意に低く、騒音対策としてこれらの有効性が確かめられた。 さらに、緑樹帯や防音塀の有無による騒音の不快感の反応構造をパス解析によって分析し、どのような要因が騒音の不快感へ影響しているかを検討した。緑樹帯の効果に関する調査ではその有無に関わらず、排気ガスと住宅の振動の効果が大きく、これまでの筆者らの一般道路での調査結果と一致している。緑樹帯のある側では道路の安全性の効果が大きく、緑樹帯が住民に安心感を与えていることを示唆しているが、緑樹帯のない側では普段の睡眠状態や騒音の敏感さ、L_<eq>の効果が大きかった。 防音塀の効果に関する調査ではその有無に関わらず、覚醒、イライラの効果が大きく、高速道路では夜間に交通量が多いことに起因している。防音塀のある地区ではTV聴取妨害の効果が大きく、視覚的に音源が見えない分、相対的に聴覚的な効果が大きく現れたものと考えている。防音塀のない地区では騒音の敏感さ、L_<eq>の効果が大きく緑樹帯の地区と同様の結果が得られた。このことは直接音源が見えることによって音源の物理特性を代表しているL_<eq>や音源に対する態度の効果が大きくなったものと考えられ、これら遮蔽物の視覚的効果の重要性を示唆している。
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