1995 Fiscal Year Annual Research Report
長野県の一戸建て住宅における経時的な温熱環境とエネルギー消費量調査およびPOE調査
Project/Area Number |
06650653
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Research Institution | SHINSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山下 恭弘 信州大学, 工学部, 教授 (30016571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 明浩 信州大学, 工学部, 助手 (80230340)
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Keywords | 一戸建て住宅 / 室内温熱環境 / 居住者意識 / エネルギー消費量 / 居住後環境評価 / 移転 / 季節差 |
Research Abstract |
本研究は、長野市に位置する一戸建て住宅について、築後年数の経た住宅(I分類)と新築住宅(II分類)において経時的な室内温熱環境と居住者意識およびエネルギー消費量に関する調査を行った。本研究により得られた成果の概要は、以下の通りである。 1.住宅の室内環境の測定結果より,室内温熱環境では,外界条件の影響もあり,冬季のみ他の季節とは異なる結果となった。室内環境に対する居住者意識では温熱環境に関わる項目で季節による違いが認められた。 2.環境条件の測定値と居住者の評点について検定を行うことにより差を明らかにし,各々の温熱環境条件と居住者意識の季節変化および移転による変化について考察を行った結果,I,II分類の住宅とも室内温熱環境測定値および居住者意識において季節による有為な差が認められた。 3.判別分析を用い季節変化が居住者の意識に与える影響について考察を行った。その結果,季節変化は室内温熱環境に関わる居住者意識への寄与が高く,他の環境に対する寄与は低いことが明らかとなった。 4.温熱環境の物理環境測定値と居住者意識の対応について検討した結果,季節による変化は明確に捉えられた。 5.筆者らの冬季における既往データとの比較を行った結果,気温の絶対値のみならず,気温の空間における分布性状や放射熱が温冷感に影響を与えていることが推察された。 6.住宅の暖房器具については,I分類の住宅では,ストーブ,ファンヒ-タ,およびこたつを使用しており,II分類の住宅では,エアコンを使用しこたつの使用が減少傾向にあることが推測された。 7.電気とガスの消費量についてみると,電気の消費量は1月に最も多くなり,消費量で500〜600kWh程度,料金で13,000円前後となった。5月や10月の中間期では約6,000円程度の電気料金であった。
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