1994 Fiscal Year Annual Research Report
生理機能への影響に基づいた中高齢者の安全で快適な浴室・環境設備に関する研究
Project/Area Number |
06650668
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Research Institution | 国立公衆衛生院 |
Principal Investigator |
大中 忠勝 国立公衆衛生院, 生理衛生学部, 主任研究官 (20112716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栃原 裕 国立公衆衛生院, 生理衛生学部, 室長 (50095907)
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Keywords | 浴室環境 / 高齢者 / 生理機能 |
Research Abstract |
本年度は浴室の環境・設備の実態調査と実験室における入浴時の生体負担の測定を行い、以下の様な結果を得た。 1.実態調査 都市(東京都)、農山村(群馬県、福島県)において浴室の環境(特に冬季の温熱条件)と設備(浴槽、シャワー等)を実際の住居において測定し(全調査戸数60)、特に寒冷地である群馬、福島両県では冬期の浴室(脱衣室)の温度が10℃以下の例が認められた。さらに、古い家屋では浴室と寝室の距離の長さ、大きな段差など高齢者にとって負担となることが多かった。特に、身体に障害を持っている高齢者では入浴の介助が大きな問題となっていた。 2.実験室実験 (1)脱衣室、浴室の温熱環境条件が入浴時の生体負担に与える影響に関する実験結果 環境温10、18、25℃の浴室、脱衣室での入浴を行わせ、18℃以下では生体負担が大きいことを認め、浴室の室温は少なくとも18℃を越えることが必要であることが示唆された。 (2)シャワー(立位、座位)と入浴時の生理負担比較検討 室温25℃の環境で、湯温41℃のシャワー(立位と座位)と湯温41℃の入浴に伴う生理反応を青年および中年男子を被検者として実験検討した。立位シャワー中では高い心拍数が、また入浴後では血圧の急激な低下が認められた。これらと異なり、座位シャワーでは生理機能への負担は小さく、生理機能の低下した高齢者などでは推奨される入浴形態であることが示唆された。
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