1994 Fiscal Year Annual Research Report
舞台芸術創造ネットワークのオープン化を意識した舞台芸術創造施設の研究
Project/Area Number |
06650682
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
清水 裕之 名古屋大学, 工学部, 助教授 (30187463)
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Keywords | 劇場 / 舞台芸術 / 舞台芸術創造施設 / ネットワーク / オープンシステム / 名古屋地域 |
Research Abstract |
名古屋地域を対象として以下の調査・研究を実施し、分析を行った。 1.舞台芸術関係者の実態把握調査:名古屋市内及び愛知県内主要市町村の舞台芸術関係者(ア-ティスト、技術者、製作者等)の名簿を収集し、データベースを作成した。また、各関係者の活動の実態をアンケート及びヒアリングにより調査した。その結果、名古屋圏では予想以上に舞台芸術活動に関わる人の種類、数が多く、多様な活動をしていることが判った。また、舞台芸術やその施設を支える様々な業務は、かなりの部分を民間の舞台芸術関係者に依存し、各人は様々な工夫をして生形を立てている実態が把握できた。出演者に関しては、社会教育活動として一般市民に芸術を教授する分野での収入は大きいが、講演活動では赤字になりパフォーマ-としてのプロフェッショナルな活動は成立しにくい構造が確認できた。 2.舞台芸術創造関連施設の調査:1に平行して舞台芸術創造活動の関連施設を実態調査し、既存のデータベースを補足、修正した。舞台芸術創造活動の関連施設は、民間の団体や個人が社会的支援の殆ど無い状況の中で様々な工夫をして維持しており、草の根的なネット-クの実態を掴むことができた。 3.東京圏との比較:1、2に関連し、衣装の製作・管理施設、靴の貸出・製作等、特殊な道具類の製作施設で名古屋地域に無く東京地域の関連施設を利用しているようなケースについて、東京地域の関連組織・施設の調査をヒアリングと写真撮影によって行った。大道具製作の組織は巨大な施設を近郊都市に所有し、TVやイベント等多様な事業を展開しながら経済効率の悪い舞台芸術の分野をカバーしていた。
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