1995 Fiscal Year Annual Research Report
舞台芸術創造ネットワークのオープン化を意識した舞台芸術施設のあり方の研究
Project/Area Number |
06650682
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Research Institution | NAGOYA University |
Principal Investigator |
清水 裕之 名古屋大学, 工学部, 教授 (30187463)
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Keywords | 舞台芸術 / 環境基礎 / 舞台芸術施設 / 創造ネットワーク / オープンシステム / 名古屋地域 |
Research Abstract |
平成6年度からの研究により、以下の問題点が把握できた。名古屋圏は舞台芸術創造に関して潜在的な創造能力はあるのだが、将来にむけての構想力が弱く、その地域の持つ潜在力を生かしきれていない。近年、名古屋地域でも公的機関が舞台芸術支援に積極的に乗り出してきてはいるが、地域全体の中で自らの活動を位置づけるような視点はまだ乏しい。しかし、それ以上に舞台芸術創造に関わる人々のなかにおける将来の地域の舞台芸術環境に対する想像力が著しく欠如していることが指摘できる。市民自らが自由かつ公正な立場で主体的に地域の舞台芸術創造の環境整備についてのビジョンを形成し、行政はそれを支援するような立場、あるいは施策をとることが望ましいのだが、残念なことに、その市民のレベルにおけるビジョンの構築が遅れているのが問題なのである。今年度は特に、愛知芸術文化センター、名古屋市芸術創造センターを核とした舞台芸術創造関連施設相互の業務上の交流関係、それら施設の人的交流関係、経済的な相互依存関係を図式化し、さらに、民間劇場関連施設の活動も視野に入れた名古屋地域の舞台芸術創造ネットワークの構造の一般化、モデル化を行った。それに基づき、舞台芸術創造の地域支援体制の確立、観客の開発、批評性、公開制の確保、アマチュア活動とプロフェッショナル活動の支援環境の区別、地域の既存インフラの活用と補完施設の整備、民間と公共の連携の強化舞台技術組織と創造集団、劇場・ホールとの創造的結合、地域の既存インフラの活用と補完施設の整備等、地域の舞台芸術活性化のための提案を行った。
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[Publications] 渡辺日奈子・清水裕之: "劇場における人材育成の問題について" 世界劇場会議国際フォーラム'95 発表論文集vol.2. 2. 97-104 (1995)
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[Publications] 渡辺日奈子・清水裕之: "舞台芸術家の活動状況に関する研究" 日本建築学会東海支部研究報告. 33. 533-536 (1995)
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[Publications] 渡辺日奈子・清水裕之: "名古屋地域における舞台芸術家の活動状況に関する研究" 文化経済学会予稿集. 3. 148-151 (1995)
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[Publications] 渡辺日奈子・清水裕之: "舞台芸術に関わる技術・製作組織とその施設について-東京圏のケーススタディー" 日本建築学会大会学術講演梗概集. E-1. 381-382 (1995)
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[Publications] 清水裕之: "地域の舞台芸術創造ネットワーク構想" 世界劇場会議国際フォーラム'96発表論文集vol.3. 3. 187-192 (1996)
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[Publications] 渡辺日奈子・清水裕之: "名古屋市芸術創造センターを通してみたオープン型舞台芸術創造の現状と課題-地域における舞台芸術の環境整備に関する研究-" 日本建築学会計画系論文集. 485(掲載決定). (1996)