1994 Fiscal Year Annual Research Report
拡散誘起再結晶を利用した合金化・再結晶集合組織による合金設計法
Project/Area Number |
06650721
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梶原 正憲 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (10161035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 雅治 東京工業大学, 総合理工学研究科, 助教授 (50161120)
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Keywords | 拡散誘起再結晶 / 拡散律速型界面移動 / 溶解反応 / 相互拡散 / Cu-Fe二元系合金 |
Research Abstract |
(111)面を接合界面とする純Cu単結晶試料と冷間強加工処理を施した純FeおよびFe-4.8mass%Cu多結晶試料とを組合せたサンドイッチ状Cu/Fe/CuおよびCu/(Fe-4.8Cu)/Cu拡散対に,Fcc-Fe相の安定温度である920および1050℃において最長86400sの加熱処理を施した。ここで,各試料の厚さはそれぞれ純Cu単結晶で2mm程度,純FeおよびFe-4.8Cu多結晶で150μm程度となっている。界面移動速度とfcc-Feおよびfcc-Cu各相における体積拡散とを関係付ける二元系拡散方程式の解析解を用いて1050℃,86400sの加熱処理条件に対する拡散濃度分布を求めると,界面からfcc-Fe相中へのCuの拡散浸透距離は15μm程度となる。一方,エネルギー分散型X線マイクロアナライザーを用いた定量分析の実測結果によると,厚さ150μmのfcc-Fe相の中心部においてそでにCuの拡散場の重なり合いが起こりほぼフラットな濃度分布となっている。このような特異な拡散挙動は,拡散誘起再結晶(DIR)に起因していることを初めて実験的に明らかにした。DIRの厚さdは,t=0〜61200sの時間範囲ではd=1.6t^<0.3>[μm]により反応時間tとともに増加する。しかし,DIRの成長はt=61200〜86400sの時間範囲では短時間側におけるよりも加速する。
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