1995 Fiscal Year Annual Research Report
金属中の水素のトラッピング現象に対する結晶構造の影響
Project/Area Number |
06650725
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Research Institution | NAGOYA INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
吉成 修 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (10134040)
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Keywords | 水素 / 拡散 / トラッピング / トンネル効果 / 溶解度 |
Research Abstract |
1)Nb-Ti合金中の水素のトラッピング状態 水素を添加したNb-2at%Ti合金単結晶(bcc)の低周波内部摩擦を測定して、60K付近に内部摩擦ピークを見出した。このピークはS_<44>および(S_<11>-S_<12>)のどちらの応力モードでも現れた。このことからTi-H対には2つのトラッピング状態があることを明らかになった。1つはbcc単位胞の{100}面上の4つの四面体格子間位置の間を水素がトンネリングしている状態(4T)、他の1つは2つの隣り合った{100}面の2つの四面体格子間位置の間を水素がトンネリングしている状態(2T)である。内部摩擦のピークはこの2つの状態を経由した水素の応力誘起再配向により生じるものと結論される。 2)Pd-Cu-M合金中の水素の拡散と溶解度との測定 同一組成で結晶構造の異なるPd-Cu-Ti合金(fcc、B2構造)を熱処理法を変えることにより作製し、この中の水素の拡散と溶解度を測定した。両構造とも、Tiの添加により水素の溶解度が増加するが、これはTiの周りに深いトラップサイトが形成されるためではなく、水素に対するポテンシアルエネルギーが全体的に低下して起こるものと考えられる。また、拡散に対するTi添加の影響はB2構造中のほうがより大きく現れた。これはbccベースの構造(B2)に特有なトンネリングによる水素の拡散が、Tiの添加により阻害されるためであると結論した。 2)Nb薄膜中の水素の拡散挙動 Nb(bcc)薄膜を作製し、この中の水素の拡散を電気抵抗法により測定した。室温における水素の拡散係数はバルク中の1/100程度であることが明らかになった。成膜中に導入された、種々の欠陥(空孔、粒界など)に水素がトラップされるものと結論した。
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Research Products
(1 results)