1994 Fiscal Year Annual Research Report
複合材料積層板の衝撃損傷後の圧縮特性劣化メカニズムと材料設計
Project/Area Number |
06650765
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
末益 博志 上智大学, 理工学部, 助教授 (20134661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郷津 勝久 上智大学, 理工学部, 助手 (40178439)
間島 理 上智大学, 理工学部, 助手 (90053678)
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Keywords | Composite Laminate / Multiple Delamination / Rectangulur Plate / Buckling / Post buckling / Fracture Toughness / Rayleigh-Ritz Method / Finite Element Method |
Research Abstract |
上記課題で解析および実験的な研究を行ってきた。当初予定通り,古典的なRayleigh-Ritz法を用いて衝撃損傷を受けた複合材料積層板を楕円形層間剥離を有する二次元の板としてモデル化し,近似解析手法を確立する事ができたと考える。本解析により圧縮座屈特性に関していくつかの興味深い結果を得ることができ,1994年12月に複合材料シンポジウムにて研究発表を行った。さらに本結果に関して整理し1995年6月に行われる日米複合材料学会に投稿し採用されたので,本結果を報告する予定である。 また実験に関しては,人工的な損傷を持つ試験片用の複合材料板を東レ社に発注し製作した。また実験装置を製作し,基礎的な実験を行った。座屈強度に関しては先の理論解にほぼ一致し,理論解の有効性が示された。また,最終破壊強度が複合材料中の樹脂の破壊靭性につよく依存することを示した。この結果を整理し,次年度の学会等で研究成果を報告し,学会誌等へ投稿する予定である。今後最終破壊強度と樹脂の靭性の関係を定量的に推定する手法を確立したい。 有限要素法による数値解析に関しては,1994年4月にワークステーションと有限要素法解析プログラム(MARC)が納入され,本問題に関して解析的試みを始めたところである。しかし本問題を実行するには実行時間とコンピューター容量だけでなく,接触問題と破壊のシミュレーションに関するモデル化など,思った以上に困難な問題がありこれからの研究が必要であることが明らかになった。 平成7年度には,これらの結果を踏まえ,有限要素法によるシミュレーション法を確立し破壊メカニズムにおける樹脂の靭性の増加による複合材料板の圧縮特性改善効果の定量的な推定方法を明らかにしていきたい。
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