1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650767
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
丸山 公一 東北大学, 工学部, 教授 (90108465)
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Keywords | 粒子強化複合材料 / 高温クリープ / 合金設計 / しきい現象 / 粒界すべり / 組織変化 / クリープ現象 / クリープ構成式 |
Research Abstract |
粒子複合化は,高温材料の強度を高める最も確実で有効な方法である.しかし,材料が実際に使われるしきい応力以下の領域では,粒子形態の制御方針が十分には確立されていない.本研究では,粒子形態制御の基本的方針の確立,およびそれを最適の高温特性を付与した粒子複合材料の設計へ発展させることを目的として研究を行い,次の成果を得た. 1.クリープ試験とその解析:粒子の大きさを一定とし粒子の体積比を変化させた試料,および体積比一定で粒子の大きさを変化させた試料を用いて,Al-Mn合金のクリープ試験を行った.その結果,体積比が大きいほど材料が強化されることが確認された.また,体積比が一定の場合には,高応力側では微細な粒子が,低応力側では逆に大きな粒子が高いクリープ強度を与えることが明らかになった. 2.材料設計方針の確立:高温材料の開発では,最小クリープ速度ε_mと破断寿命t_rをともに向上させる必要がある.(1)式のクリープ構成式でクリープ曲線が記述できるとすると,クリープ変形を特徴づけるα, A, Bはこれらはのクリープ特性と(2) (3)式で関係付けられる. ε=A{1-exp(-αt)}+B{exp(αt)-1} ε:ひずみ, t:時間 (1) ε_m=2α√<AB> (2) t_r=(1/α)1n(ε_r/B) (3) ε_rは破断伸びである.1項で得たクリープデータを(1)式に基づいて解析し,次の結論を得た.粒子の体積比が増加すると,速度定数αが低下し,ε_mとt_rがともに向上する.ただし,破断伸びは減少する.微細な粒子は熱的に不安定で,組織安定性に関わるBの値が大きくなる.このことは特に低応力で顕著で,これが低応力で微細粒子が弱くなる原因である.
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[Publications] 丸島秀昭: "12Cr鋼の長時間クリープ特性と組織安定性" 鉄と鋼. 81. 214-219 (1995)
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[Publications] 中久喜英夫: "オーステナイトステンレス鋼のクリープ破断時間の温度・応力依存性に関する総合的評価" 鉄と鋼. 81. 220-224 (1995)
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[Publications] N. Hamada: "Power-Law Creep Diagram of γ-Ti-53 Al Intermetallics" Mater. Sci. Eng. A. A192/193. 716-721 (1995)
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[Publications] H. Oikawa: "Creep Behavior of Single-phase and Two-phase Ti-Al Binary Alloys" Proc. Intern. Symp. on Gamma Titanium Aluminides, TMS. 919-930 (1995)
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[Publications] K. Matuyama: "Creep Deformation of a Dual-Phase TiAl/Ti_3Al Alloy with Fully Transformed Lamellar Structure" Proc. 9th Symp. on Strength of Materials. 21-31 (1995)
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[Publications] K. Maruyama: "Influence of Composition on Creep of Alpha-Two Ti_3Al Polycrystals" Proc. 8th World Titanium Cong. (印刷中). (1996)