1994 Fiscal Year Annual Research Report
延性材料のクリープ損傷要素の定式化とそれに基づくクリープ余寿命予測に関する研究
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06650775
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
遠藤 孝雄 横浜国立大学, 工学部, 教授 (40018007)
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Keywords | Creep / Creep Life / High Temperature / 2.25Cr-1Mosteel / Deformation / Prestrain / Creep Rate |
Research Abstract |
延性材料のクリープ余寿命予測が工業的に問題になるのは、巨大老朽化学プラントや老朽発電設備等である。本研究では、老朽発電設備の過熱器用鋼管として多用されている 2.25Cr-1Mo鋼を対象にして研究を進めた。従来、クリープ機構の解明を目的とする研究の場合は定応力負荷方式が普通であるが、本研究では敢えて定荷重負荷方式にした。理由は、長時間クリープ試験のデータは全て定荷重方式で蓄積されており、これ等の結果と比較照合するためである。 クリープ歪と時間との関係は、本年度購入したAD変換器でディジタル化し、データロガーに蓄積できるようになった。その結果、研究能率は極めて良くなり、初期の予定よりも研究は遙かに進んでいる。得られた主要な成果は、(1)調べた全てのクリープ条件の下で、歪速度の対数と真歪との間には線型の関係が成立することが確認された。その結果は「Scripta Met.et Mater.(1995)」に投稿し、掲載が決定している。(2)前項で得られた関係は、実機で11年間使用した径年劣化材についても成立することが確認され、現在「鉄と鋼」に投稿中である。(3)第1項で示した経験則は、クリープ予寿命推定技術に活用すると、極めて有力なツールになる可能性を秘めている。そこで、線型関係を規定する二つパラメーター、すなわち仮想的初期歪速度と歪速度加速因子の物理的意味を簡単な思考実験と転位モデルで考察した。その結果、仮想的初期歪速度は定応力クリープ試験における定常クリープ速度と一致することが示された。また、歪速度加速因子は未使用材においては応力の自乗に逆比例し、長時間使用材については応力に反比例するが、これらはクリープ変形中の加工硬化が前者では放物線則に従っていること、後者では線型則に従っていることを示唆している。この結果も「鉄と鋼」に現在投稿中である。(4)新しく導入した仮想的初期歪速度と歪速度加速因子を用いたクリープ余寿命推定法は、CISE(Milan-ltaly,1995 Oct.)において発表の予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 遠藤孝雄,載国政: "2.25Cr-1Mo鋼のクリープ損傷に及ぼす応力及び歪の影響" 鉄と鋼. 79. 412-417 (1994)
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[Publications] 石達中,遠藤孝雄: "一定荷重クリープ試験における2.25Cr-1Mo鋼の状態方程式の構築" 鉄と鋼. 80. 61-66 (1994)
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[Publications] 遠藤孝雄,石達中: "Factors Affecting the Creep Rate and Creep Life of a 2.25Cr-1Mo Steel under Constant Load" Proc.of ICSMA 10(1994),Ed by H.Oikawa et al.,Japan Institute of Metals.665-668 (1994)