1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650777
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
鈴木 淳史 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (90162924)
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Keywords | ゲルテクノロジー / エコマテリアル / 高分子ゲルの体積相転移現象 / エネルギー変換システム |
Research Abstract |
本研究では、ゲルテクノロジーを利用し、軽量高出力のエネルギー変換材料を分子設計し、環境に調和した新しいエネルギー変換システムの開発と、高分子ゲルの分子識別機能を利用した分離システムの開発に関し、(1)エネルギー変換材料の開発:環境の無限小の変化をマクロな変形に直接変換させることにより、各種エネルギー(熱・光・化学)を力学エネルギーに直接変換するエネルギー変換材料の開発、(2)分子認識材料の開発:高分子ゲルの体積相転移現象を利用したイオンのセンシングに関する研究、を行ない以下の結果を得た。 (ゲルの合成)分子間相互作用の中でも疎水性相互作用が主な引力として作用する系について、その物理・化学的な基本原理を確立した。また、この系に、水素結合、静電相互作用が強く働く分子を導入し、膨潤平衡、キネテイクスについて、マクロ形態の測定を行なった。(物性測定と評価)(1)高分子ゲルの体積と相転移現象に伴う変化を測定し相図を決定した。(2)溶媒組成・pH・対イオン濃度の変化に伴う体積変化、キネティクスを測定した。各々の因子の膨潤曲線に与える影響と相転移速度について考察した。(3)力学特性の評価として、ゲルに一定荷重をかけ、環境変化による長さの変化を荷重と時間の関数として現有の装置により測定し、ゲル組成の出力、応答性への影響、エネルギー変換効率を評価した。(4)ゲルの性質を利用した、各種デバイスを分子設計するために、ゲルの構造と機能に関する研究を行なった。(5)溶媒組成を変化され、分子認識による長さの変化を分子の種類とイオン濃度の関数として測定した。(理論の構築・エネルギー変換材料の分子設計)ゲルの体積相転移現象を利用したエネルギー変換材料、選択的イオン分離材料を分子設計して材料プロセスへ応用するための指針を与えた。
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