1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650787
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
太刀川 恭治 東海大学, 工学部, 教授 (40197372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 豊 東海大学, 工学部, 教授 (10266372)
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Keywords | 金属系超伝導体 / 高磁界特性 / Nb_3Sn / 中間化合物 / 機械合金処理 / Ti添加 / Cu添加 |
Research Abstract |
ブロンズ法Nb_3Sn線材は広く高磁界発生に用いられ、Tiを添加した線材により、4.2K(液体ヘリウム温度)で18Tの磁界を発生している。その高磁界特性を改善するには、ブロンズ内のSn量を増すことが有効であるが、一方、加工性を劣化させ、多くの中間焼鈍が必要となるため、線材コストを高める問題点がある。本年度は、Nb_6Sn_5中間化合物を出発物質とする新しい製法でNb_3Sn線材を作成し、その特性と組織について研究を行った。Nb_6Sn_5粉末は、本研究で開発した、NbとSnとの溶融拡散法により容易に作成できた。また、Nb_6Sn_5にTiを1-3原子%添加した粉末も作製した。これらの粉末をNb粉末と、遊星型ボールミルにより機会合金処理を行ったのち、Taシースに充填してテープ材に加工し、熱処理を行って試料を作製した。Nb_6Sn_5粉末とNb粉末の機械合金処理は、その後の熱処理におけるA15型Nb_3Sn相の生成を明瞭に促進する効果が認められた。本製法によるNb_3Sn線材の臨海温度T_cは、ブロンズ法線材より0.5K高い値を示し、Ti添加はT_cには殆ど影響を与えない。高磁界特性を測定したところ、純Nb_3Sn線材でも、4.2Kで従来のブロンズ法線材より約5T高い、24.7Tの上部臨界磁界B_<c2>を示した。試料の正常状態の電気抵抗を測定したところ、ブロンズ法Nb_3Snより約4倍大きい値を示し、これが本製法によるNb_3Sn線材で高いB_<c2>がえられる原因と考えられる。Ti添加によりB_<c2>は25T以上に高められるが、Ti添加量は2原子%が最適であり、20Tで3.3×10^4A/cm^2の大きい臨界電流密度が得られた。また、Nb_6Sn_5とNbの混合粉末に10重量%のCuを添加すると、最適熱処理温度が925℃から850℃に低下された。本研究により、4.2Kで20Tの磁界を発生しうる性能を持つNb_3Sn線材を、新しい製法で作製することが出来た。なお、試料の高磁界特性は、東北大学金属材料研究所の強磁場共同利用施設で測定させていただいた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K. Tachikawa: "Nb_3Sn Superconductors Prepared from Intermediate Compound Phase." Cryogenics. 36. 113-117 (1996)
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[Publications] K. Tachikawa: "The VAMAS Intercomparison on the Upper Critical Field Measurement in Nb-Ti Wire." IEEE Trans. on Applied Superconductivity. 5. 536-539 (1995)
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[Publications] K. Tachikawa: "High-Field A15 Superconductors Prepared from Intermediate Compound Phase." Proc. 9th US-Japan Workshop on High-Field Superconducting Materials. 131-134 (1995)
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[Publications] K. Sakinada: "Superconducting Properties and Structures of A15 Nb_3(Al, GE) Tape Fabricated by a New Process." Advances in Cryogenic Engineering. 40. 923-930 (1994)
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[Publications] K. Tachikawa: "Effect of Germanium Addition to the Matrix of Bronze-Processed Nb_3Sn Wires." Cryogenics-ICEC Supplement. 34. 539-542 (1994)
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[Publications] K.Tachikawa: "Factors Affecting the Upper Critical Field of Nb-Ti Wires." Cryogenics-ICEC Supplement. 34. 587-590 (1994)