1994 Fiscal Year Annual Research Report
モリブデンダイシリサイド-炭化珪素系超高温材料の試作とその高温酸化特性
Project/Area Number |
06650789
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
黒川 一哉 北海道大学, 工学部, 助教授 (00161779)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 仁 北海道大学, 工学部, 助手 (20196174)
|
Keywords | モリブデンダイシリサイド / 炭化珪素 / 複合材料 / 焼結性 / 物理的特性 / 機械的性質 / 耐高温酸化性 |
Research Abstract |
新しい超高温材料の開発を目的として、MoSi_2-SiC系複合材料の試作を粉末治金法により行い、その焼結体の機械的性質の評価並びに高温酸化特性評価に関する実験を進めている。本年度の研究実施計画は以下のように大別することができ、それぞれについて得られた結果の概要を述べる。 1.複合材料の試作:当初HIPによる焼結体の作製を予定したが、この方法では作製手順が多く生産性が低いため、簡便な新しい焼結法として最近注目されている放電プラズマ焼結法による作製ついて検討を行った。まず焼結挙動についての把握を行い、30vol%以下のSiC添加量であれば約1600℃の温度で数分間保持するだけでほぼ理論密度に達する焼結を達成できることが明らかとなった。 2.物理的および機械的性質の評価:30vol%までのSiCを含む複合材料についてポアソン比、剛性率、ヤング率などの諸値を測定した結果、それらの値はMoSi_2単独の値とほぼ一致し、また4点曲げ強さはSiC添加量の増加とともにわずかに向上し、30vol%SiC複合材料で約250MPaであった。しかし、微小圧子圧入法により測定した破壊靱性値は極めて低く、測定方法などを含めて現在検討中である。 3.高温酸化特性:1500℃の温度において大気中での耐酸化性を調べた。その結果、十分緻密な焼結体であれば、SiO_2皮膜の形成により極めて優れた耐酸化性を示すことが明らかとなった。ただし、SiC添加量の増加とともにわずかに耐酸化性が低下する傾向も見られ、この理由として、酸化反応の副生成物であるCOガスの発生によるSiO_2皮膜の局部的な欠陥導入、SiC凝集部での優先的な酸化反応などが考えられた。 以上の結果を踏まえて、次年度は耐酸化性に優れ、強靱な複合材料を得るための実験を進める。
|