1995 Fiscal Year Annual Research Report
再生循環アルミニウム材の腐食挙動に及ぼす不純物元素の影響
Project/Area Number |
06650790
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
田頭 孝介 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (10091539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
世利 修美 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (60179356)
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Keywords | アルミニウム / 孔食 / 不純物元素 / 表面処理 |
Research Abstract |
アルミニウム合金5182の孔食発生時の飲料水中の溶存酸素量を電気化学的手法を用いて調べた。10ppbから600ppbまで変化させた飲料水中のアノード分極抵抗の変化を面積分極法によって測定した。孔食発生は溶存酸素40ppb以上になると起ることが分かった。 Fe/Si比を変えたAl-Fe-Si合金の溶解挙動を5%NaOH水溶液中で調べた。Fe/Si比が減少するにつれて溶解量も減少した。NaOHエッチングによる溶解過程は水の分解反応に支配される。エッチング過程においてはFe/Si比の低い金属間化合物のカソード反応としての能力は少ないことが電気化学的に判明した。 NaCl濃度とFeAl_3金属間化合物の腐食挙動を電気化学的な手法と金属組織学的な観察により調べた。0.1M NaCl濃度以下の水溶液ではFeAl_3金属間化合物の溶解と析出に起因する自己触媒的溶解特性を示す。しかし、3.0M NaCl以上の濃度ではFeAl_3金属間化合物表面で起る溶存酸素の還元反応だけが起る従来の静的モデルと同じになる。FeAl_3金属間化合物の溶解は電位依存であり、腐食電位はNaCl濃度に関係する孔食電位にほぼ一致する。0.1MNaCl水溶液中に1000時間浸漬したAl-Fe合金試験片表面に発生する孔食内の塩素イオンの濃度を電気化学的な観察と計算によって見積った。孔食内の塩素イオンの濃度はおよそ1M AlCl_3であることが分かった。
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