1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650802
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
真島 一彦 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029270)
|
Keywords | メカニカルアロイング / NH3 / 窒化鉄粉末 / Fe16N2 / 超高飽和磁化 / Sm2Fe17NX / 高保磁力 / メカニカルグライディング |
Research Abstract |
筆者らはメカニカルアロイング法(以下,MA法と記す.)により,各種の鉄窒化物の作製についての検討を行った.筆者らはFe粉末に物理的あるいは化学的に吸着した酸素がMA処理中での窒化に大きく影響すると考え,実験に際し,まずFe粉を水素ガス中で十分に還元し,初期条件を常に最適の一定状態にするよう心がけた.その他,実験方法のユニークな点はMA処理をNH3ガス中で行ったことである. 得られた結果を要約すると,以下のようになる.(1)NH3中でのMAに際し,電解鉄粉を用いた方がカーボニル鉄粉の場合より窒素固溶速度が大きく,また酸素含有量は少なくなることが確かめられた.(2)NH3ガスの圧力を高めることは窒素の固溶速度にほとんど影響を与えないが,不純物である酸素の含有量を減少させるという点で有効であることが明らかとなった.(3)MA時間の増加とともに窒素含有量は増加し,240hで約18at%に達する.窒素量がこの18at%まではα-Fe中に過飽和に固溶された状態にあるが,これよりMA時間が長くなるとFe3Nが生成することが確かめられた.(4)MAにより得られた窒素含有量が13.3at%の試料に対し,その後さらにAr中でのMG処理を施したが,新たな相の生成は認められず,窒素が過飽和に固溶された状態を維持した.またこの試料を423Kで焼鈍を施したところ,Fe4Nが生成することが確かめられた.(5)Fe16N2組成に相当する11.1at%の窒素を含有した試料に対し,上記と同様MA処理後に続くMG処理を施したが,この場合にも新たな相の生成は認められなかった. なお,上記の結果をもとにNH3中でのMA処理をSm2Fe17NX生成に応用したところ,保磁力が2T以上のきわめて良好な特性を有するものが作製されることが確かめられた.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 井藤幹夫: "MG処理により作製されたSm2Fe17NX粉末に対する作製条件の影響" 粉体および粉未冶金. 42. 156-160 (1995)
-
[Publications] 真島一彦: "MG法により作製したSm2Fe17NX粉末の磁気特性に及ぼす諸因子" 粉体および粉末冶金. 42. 161-165 (1995)
-
[Publications] 井藤幹夫: "メカニカルグラインディング法により作製されたSm2Fe17NX粉末の磁気特性" 日本金属学会誌. 59. 666-672 (1995)