1995 Fiscal Year Annual Research Report
ECR高密度プラズマによる窒化とセラミック膜を複合させた表面高機能化処理
Project/Area Number |
06650823
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
安丸 尚樹 福井工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (90158006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出原 敏孝 福井大学, 工学部, 教授 (80020197)
田中 茂利 福井工業高等専門学校, 機械工学科, 校長 (20025240)
沖村 邦雄 福井工業高等専門学校, 電子情報工学科, 講師 (00194473)
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Keywords | プラズマ処理 / 窒化 / セラミックコーティング / 表面処理 / 複合処理 |
Research Abstract |
平成6年度から2年間の研究成果の概要を記す。まず、高密度プラズマ装置付属アークイオンプレーティング(AIP)システムを構築した。すなわち、小型マイクロ波発振器にアイソレータ・パワーモニタ・チューナ等のマイクロ波回路を接続したマイクロ波入射装置を作製した。さらに、Nd系永久磁石を用いた、プラズマ閉じ込め用カスプ磁場を有するプラズマポートを設計製作した。このプラズマポートをAIP装置に接続し、ポート上部の石英窓板を通して先述の入射装置からマイクロ波を入射することにより、ECRプラズマを発生させた。真空槽内に設置された試料台には、-1kVのバイアス電位と600℃までの加熱機構を付加した。このシステムにより、プラズマ窒化および各種セラミック膜被覆が可能となった。 次に、複合表面処理であるが、以下に示す広範囲のセラミック膜を用いて、主として鉄合金に対し検討した。すなわち、TiN(Hv2200)・TiC(Hv3000)・CrN(Hv2000)の窒化物や炭化物膜の他に、TiH_2(Hv500)の水素化物膜、TiO_2(Hv1200)の酸化物膜やDLC(ダイヤモンド状炭素)膜(Hv2600)を窒化層上に蒸着し、物理的性質(組織、表面状態、結晶構造等)および機械的性質(耐摩耗性、耐食性、耐疲労性等)を調べた。耐摩耗性に関しては、TiNとCrNの窒化物系セラミック膜が最も良く、特に下地が窒化されている場合には、高荷重の摩耗条件でも良好な耐摩耗性を示した。耐食性に関しては、ピンホール等の欠陥の少ない膜質であれば、かなり良好な耐食性を示すことを確認した。また、今までに報告例のないTiH_2膜を作製し、腐食電流密度が非常に小さいことを見出し、高耐食性膜として今後詳細な検討を行うこととした。耐疲労性に関しては、窒化とセラミック膜の複合処理により大幅に向上し、その向上には窒化層の性質が最も影響することを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 安丸尚樹: "セラミックコーティング材の摩耗特性" 福井工業高専研究紀要 自然科学・工学. 11-16 (1995)
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[Publications] Naoki Yasumaru: "Mechanical Properties of Pre-Nitrided and TiN-Coated Steels" Surface Modification Technologies VII. 89-101 (1994)
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[Publications] Kunio Okimura: "Preparation of Rutile TiO_2 Films by RF Magnetron Sputtering" Jpn. J. Appl. Physics. 34. 4950-4955 (1995)
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[Publications] 沖村邦雄: "TiO_2薄膜堆積用RFマグネトロンスパッタプロセスの気相診断" 電気学会プラズマ研究会資料(EP-95-119). 105-113 (1995)
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[Publications] Kunio Okimura: "Characterization of RF Magnetron Sputtering for TiO_2 Deposition" Proc. 3rd Int. Symp. on Sputtering and Plasma Processes. 435-442 (1995)
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[Publications] 沖村邦雄: "Al-Ar混合気体放電のプラズマパラメータとペニング効果" J. of Plasma and Fusion Research. 70. 1109-1116 (1994)