1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650834
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
桑原 守 名古屋大学, 工学部, 助手 (70023273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 滋生 名古屋大学, 工学部, 教授 (80023274)
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Keywords | 超音波 / 音響学 / 音場 / 定在波 / 介在物 / 対流 |
Research Abstract |
1.媒質に水を用いた超音波音場の計測実験を行い、超音波メーターを用いた音場測定とポリスチレン粒子の凝集位置の写真観察による音場の可視化実験を行った。共振条件となる離散的な周波数と液深において、液中に定在音場が形成され、その音場は容器の形状や材質(アクリル、銅)によって影響を受けることが確認された。 2.特性曲線法による1次元音場の数値解析手法を開発した。この手法によって音波伝播の非定常過程が解析可能となった。解析解および実験結果との比較からこの解析手法の妥当性を確認した。なお、本研究では音響エネルギーの減衰の無い完全流体系を対象にしたが、解析手法の骨子は減衰も考慮した系の解析手法として拡張使用が可能と推察される。 3.波動方程式の差分解による2次元音場の数値解析手法を開発した。2次元音場では超音波の照射方向ばかりでなく、それに垂直な方向の波動成分が発生して複雑な音場を形成するが、この解析手法により、容器の形状と物性、液深と液物性、振動子の周波数と配置を考慮に入れることのできる音場設計の基本ルーツを得た。この解析手法により解析した音場は実測した音場と特に音場形成の初期過程で良く一致した。よって粘性の小さな媒質の音場は2次元の解析で予測可能となった。 4.共振条件は液深だけではなく、容器の横幅あるいは径方向の大きさも影響する。共振条件を有効に利用するためには、それらも考慮に入れて音場設計する必要がある。また、粘性による音響エネルギー逸散と発熱による音響物性の影響も加味する必要があろう。その場合にも、本研究で開発した音場の解析手法が有効となろう。それらの知見を含めて、液中への超音波エネルギー投入による溶湯処理プロセス技術の発展が期待される。
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