1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650840
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
柳沢 平 広島大学, 工学部, 教授 (50034393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松木 一弘 広島大学, 工学部, 助手 (30253115)
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Keywords | チタン / 放電焼結 / 材質制御 / 粉末冶金 / 比抵抗 / パルス通電 |
Research Abstract |
まず、放電焼結の初期段階における直流パルス通電の効果を明らかにした。チタンの比抵抗は、直流パルス通電を繰り返すことによって低下した。この過程の相対密度の変化はそれほど大きいものではなく、比抵抗の低下が、相対密度の変化によるものではなく、粉体表面酸化膜の絶縁破壊による粉体間接触部の性状変化によるものであると考えられた。一方、簡単な圧粉体の電気抵抗モデルから、粉体間の低電気抵抗部の金属接触部の面積率は非常に小さいものであると推察された。また、パルス通電過程において、粉末間で一度絶縁破壊を起こしたところは再度放電しないと考え、パルス数に対する酸化膜接触部の面積率の変化率を化学反応の一次式の形に近似し、それらの変化率は絶縁破壊を起こさずに残留している酸化膜の面積率に比例すると仮定した。圧粉体の比抵抗とパルス数の関係は、この仮定を基に定量的に説明することができた。 一方、チタン合金の性能は約焼結組織に依存するため、これらの材質制御法を確立することは重要性である。たとえば、微細な組織であるほど強度特性を始めとする機械的特性は良好である。そこで、基礎的なデータを得るため、純チタン粉末を用いて微細な焼結組織を得るための材質制御を行った。実際の手順としては、粉体の予備処理(直流パルス通電)後,抵抗焼結を行う。まず、真密度化のため圧粉体を1393-1493Kに0.9ks間保持した後、βトランザス(1155K)の上下の温度範囲(今回は873-1323Kを選定)にて加熱・冷却を0.9ks間、繰り返すことにより、変態を利用した組織の微細化を試みた。このような熱履歴条件を変化させることで焼結体の組織を自由に制御できることが明らかとなった。
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