1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650862
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
柘植 義文 九州大学, 工学部, 助教授 (00179988)
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Keywords | プロセスシステム / ARXモデル / ニューラルネットワーク / 逐次確率比検定 / 異常診断 / 異常検知 |
Research Abstract |
本研究では,ダイナミカルに状態が推移するプラントを対象にして,運転時に得られる時系列データから,プラントの状態推移を的確に予測・監視する傾向管理システムを構築することを目的とし,以下の機能を具備させることを検討した. 機能1:将来の状態の推移状況を予測する機能. 機能2:現在の状態が正常な運転状況であるか判定する機能. 機能3:アラームシステムの上下限値を運転状況に応じて適切に変更する機能 機能4:異常診断システムへの入力となる異常状態の特徴抽出を的確に行う機能 平成6年度は線形モデルであるARXモデルに基づいて上記の機能1,2,4の基礎理論の確立を目指したのに対して,平成7年度は機能1,2,4の非線形モデル(ニューラルネットワーク)への拡張を試み,以下の結果が得られた. 機能1:フィードフォワード型,外部リカレント型,リカレント型の3つのネットワーク構造について検討した結果,リカレント型ニューラルレットワークによる状態予測が最も良好である. 機能2:ARXモデルと同様に,(1)で得られた予測値と実測値の残差に対し逐次確率比検定を用いて,正常である仮説HOと異常である仮説Haのいずれが採択できるかの検定HO/Haを行うことによって,負荷変動下における状態を逐次判定することはできる. 機能4:ARXモデルと同様に,(2)の検定において異常である仮説Haとして,異常に高い仮説H+と異常に低い仮説H-を定義し,HO/H+の検定とHO/H-の検定を同時に行うことによって,異常状態の特徴抽出は可能である. 結局,機能2と4は状態予測モデルに係わらず全く同じ方法を利用することができ,その性能は機能1による予測精度に依存することがわかった.しかし,同時に次のような課題が残った. 課題(1)システムのオンライン化のためにニューラルネットワークのオンライン学習法の適用可能性の検討 課題(2)機能3の開発のために逐次確率比検定でパラメータの適切な設定法の検討
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