1994 Fiscal Year Annual Research Report
刺激応答性グラフト鎖を利用した抗ファウリング膜の開発
Project/Area Number |
06650877
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中尾 真一 東京大学, 工学部, 助教授 (00155665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
都留 稔了 東京大学, 工学部, 助手 (20201642)
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Keywords | 限外ろ過膜 / 精密ろ過膜 / 抗ファウリング / プラズマグラフト |
Research Abstract |
1.グラフト鎖の導入 ポリエチレン素材の限外濾過膜、精密濾過膜に、アルゴン雰囲気下で高周波低温プラズマを照射し、その後メチルアクリレート、アクリルアミド、イソプロピルアクリルアミドモノマー溶液に浸漬し、グラフト重合によりグラフト鎖の膜表面、および膜細孔壁への導入を試みた。重合条件としては、モノマー溶媒、モノマー濃度、反応温度、反応時間を種々変化させた。その結果、メチルアクリレートは容易にグラフトすることができ、グラフト量の制御も容易であった。アクリルアミドも重合はできたが、重合量の調整は難しく、抗ファウリング性の実験に使用できる膜は得られなかった。メチルアクリレートは感温性が悪く、温度変化によるグラフト鎖の伸縮現象は観察されなかった。感温性ゲルとなることが確認されているイソプロピルアクリルアミドはプラズマグラフト重合が難しく、種々反応条件等を検討したが、残念ながら研究期間内では抗ファウリング性の検討に使用できる膜は得られなかった。今後さらにプラズマ照射条件、重合反応条件を検討していくことが必要であろう。 2.抗ファウリング性の評価法の検討 膜へのウシ血清アルブミン(BSA)の吸着量の定量方法として、従来のTNBS法を改良した迅速TNBS法を新たに開発した。これによりBSA溶液への膜浸漬実験、BSA溶液の膜透過実験で膜に吸着したタンパク質の直接定量が可能となった。実際にポリエチレン素材以外にも、ポリスルホン、PTFE、ポリアクリロニトリル素材の膜、親水性ポリマーでコーティングした膜のBSA吸着量を測定し、本定量法による抗ファウリング性評価の有効性を確認した。
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