1994 Fiscal Year Annual Research Report
水溶性キレートポリマーによる金属イオンの分離・濃縮法の開発
Project/Area Number |
06650884
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
冨田 太平 徳島大学, 工学部, 教授 (50035622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 精造 徳島大学, 工学部, 教授 (10035610)
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Keywords | 分離 / 金属イオン / 濃縮 / 膜分離 / キレートポリマー / 中空糸膜 |
Research Abstract |
水溶液性キレートポリマーと中空糸膜を用いて希薄濃度の溶液中から金属イオンを分離・濃縮する方法について研究した。水溶性キレートポリマー[ポリアクリル酸およびポリ2アセトアミドアクリル酸]とポリアクリロニトリルの中空糸膜(内径0.8mm、長さ1.2m、2.4m)を用い、Cu(II),La(III)のモデル金属イオンについて実験を行った。試料溶液中に浸した中空糸膜中に水溶性キレートポリマーを循環させる方式と単通させる方式、および水溶性キレートポリマー溶液中に中空糸膜を浸し、中空糸膜中に金属イオン溶液を単通させ、脱金属イオンを行う方式について検討した。本方法では見かけの上で能動輸送が可能であり、循環方式ではポリマー溶液側に回収した金属イオン濃度よりも遙かに低濃度の溶液からも金属イオンを回収・濃縮することができた。単通濃縮法では、出口の金属イオン濃度は滞留時間とともに増加し、試料濃度の10倍の濃縮も可能であった。単通脱金属イオン法では、2〜3分の滞留時間で、試料溶液の80%の金属イオンを脱イオンすることができた。各々の方式において、回収・濃縮速度を解析し、実測値とのカーブフィッティングによって総括物質移動係数、軸方向混合拡散係数を求め、液速度との関係を検討した。金属イオンの多孔質膜透過の総括物質移動係数は10^<-6>〜10^<-5>m/sと大きく、本方法は効率的な金属イオン回収・濃縮法であり、多くの応用が可能であることが分かった。
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Research Products
(1 results)