1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650891
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
山口 力 愛媛大学, 工学部, 教授 (10000861)
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Keywords | オルガノシラン / 固体超強酸 / アルキル化反応 / 固体酸 / 不均化反応 / ヒドロシリル化反応 / 触媒 |
Research Abstract |
炭化水素ホモローグでありながら不均一触媒反応としてとりあげられることの無かった有機ケイ素化合物の転換反応を固体触媒上で試み、以下の成果が得られた。 (1) ジエチルシラン(E2)およびジエチルジメチルシラン(E2M2)の不均化反応 表題の反応について固体超強酸を含む種々固体酸および固体塩基を用いてその反応の可能性を検討した結果、300℃以下の反応温度で両反応とも固体酸上で触媒的に進行することを世界で初めて明らかにした。触媒特性とE2およびE2M2の反応性の比較検討から、E2はヒドリド引抜き型、E2M2はプロトン付加型で反応が開始することが推定された。E2M2不均化反応は固体超強酸触媒を用いることにより、反応温度100℃でも進行させることができる。 このようなアルキルシランの不均化反応は臭化アルミニウムによる均一反応系の報告があるのみであった。 (2) ジエチルシランのアルキル化反応 E2と各種オレフィン、すなわちプロペン、1-ブテン、cis-2-ブテン、イソブテン、1、3-ブタジエン、メチルアセチレンとの反応を固体酸を触媒として試みた。いづれも150℃で容易に反応が進行し、対応するアルキルシランの生成を確認した。生成物のNMR分析の結果、アルキル化体はいづれもn-アルキル化体を主生成物とすることが明らかとなった。芳香環、CN結合、CO結合への付加は現時点では成功しておらず反応条件等を検討中である。 本反応は均一反応系では遷移金属錯体を触媒とするヒドロシリル化反応として知られているが、固体酸を用いた例は世界で初めてである。今後反応機構の検討ならびに反応の拡張が期待される。
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