1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650897
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Research Institution | Yamanashi University |
Principal Investigator |
小宮山 政晴 山梨大学, 教育学部, 助教授 (60150257)
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Keywords | 走査型トンネル顕微鏡 / シリカ / アルミナ / 白金 / 超微粒子 / 超薄膜 |
Research Abstract |
本研究は、STMによる工業用触媒などの実用固体触媒表面の研究を、STM観察可能な形態をした実用触媒の適切なモデル系を構築することにより推進し、もって他の手法にはないSTMの特徴を実用固体触媒研究に最大限に発揮させることを目的とした。 その結果、実用的に最も多用されている固体触媒系として、酸化物と金属超微粒子とを複合させたいわゆる担持金属触媒のうち、担体系としては工業的に最も重要なシリカ、アルミナを、また金属触媒としては、これも工業的に重要な白金を対象としたモデル系を構築し、そのSTM像を得ることに成功した。 シリカ、アルミナなどの絶縁性試料のSTM像観察は、これら試料を超薄膜化することにより初めて可能になった。このような絶縁性超薄膜の電子トンネル機構についても検討を加えた。さらにこれらモデル担体表面に金属を担持する方法として種々の調製法を検討した結果、STM測定用の試料としては真空蒸着法が最適であることを見出した。 上に述べたような方法の開発により、これまで他の手法では得られなかった原子レベルでの原子配置や電子構造などの局所的な情報から、極めて局所的現象である固体触媒反応の原子レベルでの解明および理解がされるようになるものと期待される。 本研究の目的の達成は、STMを実用固体触媒機能の原子レベルでの解明に応用する途を拓くものであり、化学工業において最も重要な分野の一つである触媒研究分野でのSTMの応用の推進に資するものである。
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