1994 Fiscal Year Annual Research Report
石炭からナフタレンを高収率で得る新規プロセスの開発研究
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06650899
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野村 正勝 大阪大学, 工学部, 教授 (10029184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 聡 大阪大学, 工学部, 助手 (70219921)
三浦 雅博 大阪大学, 工学部, 助教授 (20183626)
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Keywords | イリノイNo.6炭 / キノリン抽出 / 固体NMR / 会合構造 / 熱分解 / サイズ排除クロマトグラフィー |
Research Abstract |
石炭からナフタレンを得る高収率変換プロセスの開発を行う目的で,6種の石炭を対象に以下の実験を行った。 1.我が国の赤平炭(炭素含量82%),三池炭(83%),米国のイリノイNo.6炭(78%),アッパーフリーポート炭(86%),オーストラリアのワンドアン炭(77%)および中国のナツメ庄炭(87%)の6炭種を対象にオートクレーブ中,50kg/cm^2の窒素加圧下,350℃でキノリン抽出を行った。その結果,炭種により結果は異なるが,70〜90%の収率でキノリンに可溶な成分が得られた。 2.上記のキノリン可溶成分の汎用溶媒に対する溶解度を調べたところ,イリノイNo.6炭から得られた可溶分のみが,N,N-ジメチルホルムアミドおよびピリジンに可溶であることが明らかとなった。 3.イリノイNo.6炭から得られたキノリン可溶分(収率85%)を対象に,^1H-NMR,固体^<13>C-NMR,サイズ排除クロマトグラフィーなどを用いて詳細な構造解析を行ったところ,イリノイNo.6炭に含まれる芳香環は平均して二環程度であると考えられる結果を得た。また,サイズ排除クロマトグラフィーによる分析から,この溶媒可溶分は溶液中では強く会合した状態にあること,すなわち,この溶媒可溶分を熱的に処理する前にこの会合を解く必要があることが明らかとなった。 4.イリノイNo.6炭から得られたキノリン可溶分の熱分解分析を行ったところ,ベンゼン,フェノール,ナフタレンなどが主生成物として得られたことから,適切な触媒を用いてこれを処理すればナフタレン誘導体を得ることができると考えら,この点については今後検討する。
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