1994 Fiscal Year Annual Research Report
2-メチルナフタレンの形状選択的メチル化触媒の設計
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06650903
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Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
難波 征太郎 西東京科学大学, 理工学部, 教授 (80114883)
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Keywords | 触媒作用 / ゼオライト / 形状選択性 / ジメチルナフタレン / メチルナフタレン / メチル化 / MFIゼオライト / 固体酸触媒 |
Research Abstract |
本研究の目的は、メタノールを用いた2-メチルナフタレンのメチル化により2,6-ジメチルナフタレンを選択的に合成できる触媒を設計することである。本年度では、触媒のスクリーニングの結果、MFI構造を有するゼオライトが最も有望であったので、MFI構造を有するゼオライト(メタロシリケートも含む)に焦点を当て、修飾による有効細孔径の微調節、固体酸強度の制御、ゼオライト結晶外表面酸点の不活性化を行い、触媒設計の基本方針を提案した。 有効細孔径の微調節は、含浸法による酸化物の添加により行った。この方法により細孔の微調節はできるが、同時に酸強度も変化してしまう。MFI構造を有する各種メタロシリケートを水熱合成およびアトムプランティング法により調製した。これらのメタロシリケートの細孔径はほとんど同じであるが、酸強度はメタルの電気陰性度に依存して変わるので、酸強度だけの影響を調べることができる。ゼオライト外表面酸点の不活性化の効果は、分子径が大きすぎて細孔に入ることができない2,6-ジメチルキノリンを用いた被毒により明らかにした。 調製した触媒の活性と選択性を測定した結果、(1)ゼオライト外表面酸点を選択的に被毒すると、2,6-ジメチルナフタレンを始めとするβ,β′-ジメチルナフタレンへの選択性が飛躍的に増大する、(2)酸化物での修飾によりMFIゼオライトの有効細孔径を狭めると、2,6-ジメチルナフタレンへの選択性は低下し、2,7-ジメチルナフタレンへの選択性が増加し、(3)MFIゼオライトの固体酸性が弱ければ弱いほど2,6-ジメチルナフタレンへの選択性は増大することなどがわかった。 以上の触媒設計の基本方針に基づき、平成7年度では、高性能触媒の開発と精密な触媒設計の指針を提出する予定である。
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Research Products
(1 results)