1995 Fiscal Year Annual Research Report
抗体の変性状態タンパク質認識特性とその分離への応用
Project/Area Number |
06650912
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
加藤 滋雄 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20026272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺嶋 正明 京都大学, 工学研究科, 助手 (30172092)
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Keywords | 抗ペプチド抗体 / 変性タンパク質 / 免疫アフィニティクロマトグラフィー / タンパク質分離 / リフォールディング |
Research Abstract |
リフォールディング工程などにおいて、可溶化後弱い変性状態にある目的タンパク質を免疫アフィニティクロマトグラフィーで精製するため、目的タンパク質の構成ペプチドに対する抗体のタンパク質認識特性を検討した。特に、抗ペプチド抗体は立体構造の自由度の高い状態のタンパク質と結合しやすいと考えられ、変性状態にあるタンパク質の精製に適していると期待される。このような抗体の認識特性とタンパク質の変性状態の関連を明らかにし、リフォールディングと分離に適切な変性剤濃度条件を検討し、以下の成果を得た。 1.ミオグロビン、インスリン、イネα-アミラーゼのC末端ペプチドに対する抗体を作製し、nativeおよび変性状態におけるこれらタンパク質の吸着特性を検討した。ミオグロビンに対する抗ペプチド抗体はnativeミオグロビンはわずかしか吸着しなかったが、3M尿素中で変性状態にあるときは抗原ペプチドと同程度に吸着された。このことからこの抗体は変性した自由度の高い状態のタンパク質に強く結合することが示された。一方、インスリンやアミラーゼに対する抗ペプチドは、nativeタンパク質にも結合し、変性状態にすると吸着量は少し低下した、これらのタンパク質はC末端部が本来自由度が高く、抗ペプチド抗体と結合できるためと考えられる。この結果から3M尿素程度の変性状態において、抗ペプチド抗体を用いた免疫アフィニティ精製が行えると言える。 2.リゾチームを用いてリフォールディング条件と、連続装置を用いるリフォールディングを検討した。その結果、変性状態リゾチームをいったん3M尿素程度の液中でloose foldingさせることによってリフォールディング効率が高くなることが示された。また、新しく考案した装置によってリフォールディングを連続的に効率よく行えた。
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Research Products
(1 results)