1995 Fiscal Year Annual Research Report
酵素、増幅型ヒスタミン及びヒスタミン抗体センサの開発
Project/Area Number |
06650924
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
内山 俊一 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (80129163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷部 靖 埼玉工業大学, 工学部, 講師 (20212144)
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Keywords | バイオセンサ / 酵素増幅 / ヒスタミン測定 / 抗体測定 / 酵素機能転換 |
Research Abstract |
銅を含有するモノアミンオキシダーゼ(MAO)とジアミンオキシダーゼ(DAO)が弱アルカリ性でヒスタミンやヒスチジンなどのイミダゾール環を有するアミン化合物を捕酵素として認識し、アスコルピン酸オキシダーゼ活性を発現することを明らかにした。そしてこの反応においてアスコルビン酸はモノデヒドロアスコルビン酸を経由してデヒドロアスコルビン酸になり、ミハエリスーメンテン速度式に基質として従う(Km=0.62mM)ことがわかり、酸素は過酸化水素になることが判明した。MAOの活性部位のESRシグナルの変化からヒスタミンが活性中心の銅に配位して触媒活性に変化が生じたものと結論した。この反応においてヒスタミンは捕酵素として機能するのでアスコルビン酸消費量が増幅され高感度バイオセンサー加えたヒスタミン量と酸素減少量は比例関係にあり、MAO固定膜を酸素電極に装着した電極が3x10^<-6>M-1x10^<-3>Mのヒスタミンの濃度の測定用バイオセンサとして極めて有用であることが判明した。またMAOやDAOを固定化したガラスビーズを酵素増幅リアクターとして用いるフローインジェクションシステムでバッチ式と同様にヒスタミンのセンシングが可能であり、ヒスタミンの抗体を添加することにより、高感度とは言えないものの新しい原理に基づく抗体のセンシングが可能であることが明らかとなった。なお、銅を含有する他のオキシダーゼについても中心金属に対するヒスタミンの配位効果が観察され、酵素の特異性の転換が生じることがわかり、アミン化合物のセンシングへの応用が期待できることが分かったことも本研究における成果であるといえる。
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