1994 Fiscal Year Annual Research Report
界面配向制御機能をもつ金属イオン抽出試薬の開発とその速度論的分離・濃縮への応用
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06650929
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金子 恵美子 東北大学, 工学部, 助手 (00241539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 仁 東北大学, 工学部, 助教授 (20124620)
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Keywords | 4-アシル-5-ピラゾロン / アルキル基の効果 / 8-キノリノール / 界面配向制御 / 溶媒抽出試薬 |
Research Abstract |
水相-有機相界面を利用した新しい抽出システムの設計に関して以下に記す成果を得た. (1)抽出試薬上のアルキル基の効果:4-アシル-5-ピラゾロン誘導体をモデル試薬として用い,希土類金属イオンのキレート抽出系における抽出試薬上のアルキル基の効果について検討した結果,抽出化学種,抽出定数,抽出速度定数および律速過程は抽出試薬上のアルキル基の長さに依存しないことが明らかとなった.従来の抽出構造(水相反応モデル)では,アルキル基を長くすると水相内の試薬活量の低下により抽出速度は小さくなるが,4-アシル-5-ピラゾロン誘導体のように疎水性の高い試薬を用いる抽出系では速度は低下せず,界面における錯形成反応が抽出速度を支配することが示された.また1,10-フェナントロリンを併用した協同効果抽出系および第4級アンモニウム塩を用いたイオン対抽出系についても同様の結果を得た. (2).界面配向制御のための試薬の開発:界面における配位官能基の配向状態(横向き,下向きなど)の制御を試みる系として長鎖アルキル基を有する8-キノリノール誘導体をモデル試薬として選択し,7-ドデシル-5-メチル-8-キノリノール,5-ドデシル-7-メチル-8-キノリノール,5-オクチルオキシメチル-8-キノリノールの合成に成功した.長鎖アルキル基を導入する部位の設計およびアルキル鎖への親水基の導入により,試薬の配向状態の制御が可能となることが予想される.また合成した試薬は希土類金属イオンを広いpH領域で抽出しない5,7-ジメルチ-8-キノリノールと同じ骨格を有することから界面配向による効果と併せてその特異性が期待される. (3).界面の疎水性を利用するスポットテスト法の開発:本研究の新展開として,疎水性界面の特性によって金属錯体をリング状に濃縮できる高感度スポットテスト法の開発を行った.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] E.Kaneko: "A New Confined Spot Test with Hydrophobic Filter Paper and Its Application to the Visual Fluorometric Determination of Aluminium with2,2′-dihydroxyazobenzene" Chemistry Letters. 1994. 1615-1618 (1994)
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[Publications] H.Hosino: "Volume Constraint Effect on Solute Partitioning to Triton X-100 Micelles in Water" J.CHEM.SOC.FARADAY TRANS.90. 479-486 (1994)
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[Publications] H.Hosino: "Photophysical Investigation of Energy Transfer Luminescence of Lanthanide Chelates with Aromatic Polyaminocarboxylate Ligands Aqueous Solutions" ANALYTICAL SCIENCES. 11. 175-180 (1995)