1995 Fiscal Year Annual Research Report
新規な多鎖二親水基型高性能界面活性剤を用いるミセル動電クロマトグラフィー
Project/Area Number |
06650934
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田中 稔 大阪大学, 保全科学研究センター, 教授 (60029238)
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Keywords | ミセル動電クロマトグラフィー / 多鎖二親水基型界面活性剤 / ナフタレン誘導体 / フラボン誘導体 |
Research Abstract |
1.ヒドロキノンジグリシジルエーテル(1)およびN-ドデカノイルジエタノールアミンンジグリシジルエーテル(2)を疎水基のドデシル基と親水基のスルホン基の連結ブロックとする二鎖および三鎖ビス(スルホン酸塩)型界面活性剤、エチレングリコールジグリシジルエーテルをドデシル基との連結ブロックとする二鎖ビス(硫酸塩)型界面活性剤(3)および二鎖ビス(カルボン酸塩)型界面活性剤(4)、2,2-ジドデシル-1,3-プロパンジオールから得られる二鎖ビス(カルボン酸塩)型界面活性剤(5)を合成単離し、ミセル動電クロマトグラフィー(MEKC)用ミセル形成試薬としての評価を行った。 2.上記4種類の界面活性剤を用いて8種類のナフタレン誘導体のMEKC分離を行ったところ、それぞれ10.0×10^<-2>M濃度において、2で1-ナフトールと1-ニトロナフタレンの分離が行えなかった以外、8種類のナフタレン誘導体の完全分離が可能であった。なお、ビス(スルホン酸塩)およびビス(硫酸塩)型界面活性剤1〜3では溶質の溶出順序は同じであったが、ビス(カルボン酸塩)型界面活性剤の4および5では溶出順序が一部異なる結果が得られた。 一方、MEKCで多用されている一鎖一親水基型界面活性剤である硫酸ドデシルナトリウム(SDS)と比べ、1〜5はかなり低い濃度で同等以上の分離が達成でき、分離の選択性も顕著に異なることが判明した。 3.次に、SDSでは完全分離が行えない5種類のフラボン誘導体のMEKC分離を行ったところ、1、2および4とも5.0×10^<-3>M濃度で完全分離が可能であった。さらに、ナフタレン誘導体の場合と同様にSDSとは異なる溶出順序を示した。 4.以上、多鎖二親水基型界面活性剤はSDSとは異なる選択性と優れた分離能を示すことがわかった。
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