1995 Fiscal Year Annual Research Report
走査型液性状その場観察顕微鏡による液/液界面局所空間の電荷移動ダイナミクスの研究
Project/Area Number |
06650939
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
田邊 博義 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70125376)
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Keywords | 走査型交流誘起電気化学顕微鏡 / 液 / 液界面 / 局所空間 / 電荷移動 |
Research Abstract |
1.本年度は修飾された油/水界面微細構造の界面分極による空間的変化の電荷移動ダイナミクスに及ぼす影響に関する実証的知見を、走査型液性状その場観察電気化学顕微鏡法により得ることを目的とした。 2.油水界面にはニトロベンゼン/水界面を主に用い、クラウンエーテルあるいはトリトンXによる界面修飾系ではNa^+イオン移動を、加えてニトロベンゼン(フェロセン)/水(Fe(CN)_6^<3-/4->)系による電子移動を検討対象とした。FFTサーボアナライザーをSECMに組み込み、界面局所領域の空間的構造変化を探針先端インピーダンスの変化としてとらえ、電荷移動ミクロ過程の状態についても可視化する。 3.(1)探針上のインピーダンス測定をもつ行うことにより、より詳細な界面域の局所空間情報の三次元可視化が達成できた。 (2)界面修飾での修飾層の局在化状態をその場測定しながら、イオン移動のPrecursorサイトの形成、イオン-イオノホア錯形成、吸着、拡散(界面でも表面拡散も含む)などの各過程が生起する局所空間領域の化学的状態を把握することを試みた。 (3)修飾剤はどの系でも局在化分布を示すが、クラウンエーテル系では油相側界面内垂直方向における修飾剤の局在化分布の過程は、トリトンX系よりも顕著であった。これがNa^+イオンの平均移動速度のちがい(r_<クラウン>/r_<トリトン>=1/1.2)と移動機構のちがいをもたらすことが示唆された。 (4)クラウンエーテルは水中側および油相側のどちらでもNa^+錯形成せず、油/水界面で錯形成することがわかった。このときNa^+種の吸着サイトにおける界面局所性状がその種の後の拡散に大きな影響を与えることが示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Tanabe and M.Ohmura: "“In Situ Imaging to Localized Charge Transfer Kinetics at Interface between Two Immiscible Liguids using Scanning Electrochemical Microscopy"" (to be published).
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[Publications] 田邊博義,大村雅也: "“油水界面電荷移動のSECMによる検討"" 日本化学会北海道支部夏季研究発表会講演要旨集. 37 (1995)