1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650945
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
米澤 義朗 京都大学, 工学部, 助教授 (10026346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 智生 京都大学, 工学部, 助手 (50205944)
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Keywords | 分子集合体 / 有機色素 / 分子励起子 / ルミネッセンス / エネルギー移動 / 混晶 / ランダム系 / 蛍光顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究は、2年計画で2種類のシアニン色素のJ凝集体をふくむ分子集合体複合系を構成し、新規な発光特性を発現させ、その機構を明らかにすることを目的としている。本年度は、次のシアニン色素をとりあげ、アラキジン酸LB膜中でJ凝集体を作成する条件を確立した。さらに、若干の組み合わせについて複合系に特有の分光学的性質(吸収・発光特性)を探索した。 シアニン色素:dye I;5,6,5',6'-dibenzo-1,1'-diethyl-2,2'-cyanine chloride,dye II;5,5'-dichloro3,3'-diethyl-9-phenyl-thiacarbocyanine chloride,dye III;3,3'-dimethyl-9-phenyl-4,5,4',5'-naphtho thiacarbocyanine chloride,dye IV;1,1'-diethyl-2,2'-cyanine chloride,S120;1-methyl-1'-octadecyl2,2'-cyanine perchlorate 2種類のシアニン色素のうち、Jバンドが短波長側にあるものをドナー(D)、長波長側にあるものをアクセプター(A)と名づける。dye IをD、dye IIをAとした場合、dye I:dye II混合LB膜においてもdye I凝集体、dye II凝集体のJバンドが顕著に見られるが、共鳴蛍光はエネルギー移動の結果、dye Iの消光、dye IIの増感が観察された。これらは現有の光学顕微鏡、顕微分光装置、蛍光顕微鏡によって測定された。蛍光顕微鏡に今回購入のカラーチルドCCDカメラを接続し、膜構造をカラーモニタを用いて観察した。dye I:dye II混合膜の蛍光強度はエネルギー移動を反映し、dye I単独膜、dye II単独膜よりはるかに明るく、色あいはdye I単独膜とことなることが分かった。そのほかのD、Aの組み合わせについても同様の観察を行い、特にdye II(D):dye III(A)では融合型のLB膜の作製に成功した。
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