1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650947
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
播磨 裕 広島大学, 総合科学部, 助教授 (20156524)
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Keywords | 分子固体 / 機能性材料 / 電荷移動 / 有機分子 / ポルフィリン / 移動度 / 半導体 |
Research Abstract |
2波長励起法を用いた光電流相乗効果の測定より、数種のポルフィリン分子固体のギャップ内準位のエネルギー分布を決定することに成功した。また、これらの準位は同時に電子・正孔の再結合中心として機能することを明らかにした。更に、光電流作用スペクトルやKelvin法による仕事関数の測定から、金属と分子固体界面でのSchottky障壁形成における表面準位の影響を検討した。その結果、静電容量に関する詳細な研究結果からも支持されるように、各種金属/分子固体界面において表面準位の形成は無視できることが判明した。以上の結果の一部は既に国際誌において受理されている。また、続報を2通予定している。 一方、飛行時間測定法による分子固体中のキャリヤ-移動度の測定は、極めて分散的な電荷移動過程の為に正確な移動度の評価が困難なことがわかってきた。各種パイ電子共役系大環状分子からなる分子固体中のキャリヤ-移動度がなぜ特徴的な分散性を強く示すのか、その理由を詳しく調査することはアモルファス分子固体の物性解明にとって重要であろうと考えている。近赤外光照射下でのパルス光照射や、移動度評価が可能となる実験条件(測定温度など)の検討により、以上の課題は克服できるものと信じている。
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