1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650956
|
Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
新坂 恭士 金沢工業大学, 工学部, 教授 (50016135)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 正雄 金沢工業大学, 工学部, 教授 (80001105)
|
Keywords | エーテル / シクロヘキサン / 過剰電子 / 移動度 / 輸送過程 |
Research Abstract |
本研究の目的は、エーテル類について信頼性の、より高い過剰電子の移動度測定の方法を工夫し、正確な移動度を測定し、エーテル中での過剰電子の輸送過程についての知見を得ることであった。そのための第1段階として、過剰電子の移動度と光吸収測定の両方が可能な伝導度測定用セルの設計製作をし、その測定システムを組み立てることであった。このために(1)、光電子発生用とそれに直交する励起・分析用の3つの石英窓を備えたステンレススチール製の伝導度測定用セルと設計製作した。光吸収のための分光器も購入し、測定システムの確立を目論んだ。(2)、セルの真空度チェックをしたところ、本測定が不可能となるリ-クのあることが判明した。可能な限りの真空チェックをした上、真空接着剤のトールシールを用いてリ-クをかなり抑えることができたが、はっきりしたリ-ク個所が特定できず、真空度も予定していた程に上げることはできなかった。(3)、エーテルの前に、代表的液体炭化水素のシクロヘキサンについて測定するために、高真空系を用いて高度に脱気精製を行なった。(4)光電子放出材としてアルミニウムの蒸着薄膜を用い、それを装着したセルが真空のときに光電流測定を行い、最適膜厚(蒸着秒数を目安とした)を決定し、印加直流電場についての光電流の依存性を測定した。真空下で光電子は毎秒約10の10乗の発生が測定されたが液体シクロヘキサンの導入によって、本研究で使用するキノセンフラッシュランプでは、光電子はノイズレベルに隠れてしまい、測定は不可能であった。今後はセルの設計からもう一度見直し、この研究課題の目的を達成する予定である。
|