1994 Fiscal Year Annual Research Report
陰イオン界面活性剤で架橋した層状複水酸化物吸着剤の合成と疎水的層間特性
Project/Area Number |
06650957
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
成田 榮一 岩手大学, 工学部, 教授 (20111255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一條 治 岩手大学, 工学部, 助手 (40003868)
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Keywords | 層状複水酸化物 / ハイドロタルサイト / 層状化合物 / 架橋体 / 陰イオン界面活性剤 / 吸着 / インターカレーション / 陰イオン交換能 |
Research Abstract |
平成6年度は、つぎの2項目について研究を行い、以下の成果を得た。 1.陰イオン界面活性剤(AS)-層状複水酸化物(LDH)吸着剤の合成 (1)種々の条件下で出発原料のMg-Al系炭酸型LDHの合成を行い、Mg/Al比の異なる結晶性の良好なLDHを得ることができた。また、得られたLDHを加熱処理することにより、NaCl型酸化物固溶体(OS)を得ることができた。 (2)所定濃度のAS水溶液にOS粉末を添加し、振とうすることにより再構築反応(再水和反応)を行い、ASの吸着等温線を得ることができた。ASとしては一般的なn-ドデシルベンゼンスルホン酸などのほか、工業的に用いられる長鎖脂肪族硫酸塩などを用いた。また、この結果をもとにAS-LDH吸着剤を合成し、その組成、構造および特性を調べた。LDH層間におけるASの配位状態は、歪んだ2分子層のミセル集合体として取り込まれているものと考えられたが、詳細な検討は次年度に行う予定である。 2.AS-LDH吸着剤による水溶液からの無電荷有機化合物の吸着 (1)所定濃度の無電荷有機化合物水溶液にAS-LDH吸着剤の粉末を添加し、振とうすることにより吸着を行った。その結果、優れた疎水的吸着能を示すことがわかり、吸着等温線を得ることができた。また、小さな板状構造のベンジルアルコール、線状構造のn-アミルアルコールとリナロールは吸着されるが、大きな環状構造をもつシクロデキストリンなどは立体障害のため吸着されないことなども明らかとなった。 (2)吸着後の吸着剤の構造には変化は認められなかったが、今後は耐久性や脱着特性を調べる予定である。
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