超微細組織をもつチタン酸アルミニウム焼結体の製造

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 06650968
• Research Institution: Kyushu University
• Principal Investigator: 加藤 昭夫 九州大学, 工学部, 教授 (50037727)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 永島 聡子 九州大学, 工学部, 助手 (20190184)
• Keywords: 均一沈澱法 / チタン酸アルミニウム / 焼結 / アルミナチタニア複合粒子

Research Abstract

(1)チタン酸アルミニウムは緻密に焼結せず,機械的強度が低いという本質的欠点をもっている。強度の向上には粒径2μm以下の微細な焼結体組織が必要である。本研究では,尿素を用いる均一沈殿法により焼結性の高い微細なチタニアーアルミナ複合粒子を無機塩から合成し,その焼結性を検討している。
(2)平成6年度はTiOSO_4と等モルのAl_2(SO_4)_3を尿素水溶液に溶解し,90℃にでTiO_2-Al_2O_3系水和物複合粒子を合成し,その焼結特性を調べた。粉体は尿素濃度10.0M,(A)〔TiOSO_4〕=〔Al_2(SO_4)_3〕=0.01M,と(B)=0.025Mの2種類の条件で合成した。原料塩濃度が低い(A)では(B)に比べてかなり微細な粒子が得られた。
(3)焼結体密度に対する仮焼温度(800〜1300℃)と焼結温度(1300〜1500℃)の影響。焼結体はすべてAl_2TiO_5の単相であった。試料(A)においては,仮焼温度1000℃のとき焼結体密度が高い傾向を示した。1400,1500℃の焼結では仮焼温度に関わらず,相対密度90%以上を示したが,粒成長が著しく多数の亀裂が確認された。焼結温度1300℃で仮焼温度1000℃のとき,相対密度92.5%で粒径約2μmの微細組織を持つ焼結体が得られた。仮焼温度800℃のときは焼結が局所的に起きた。試料(B)でも同様の傾向が認められたが,1300℃焼結では密度は70%以下であった。

Research Products

• [Publications] 永島聡子,小川友成,加藤昭夫: "均一沈殿法により合成したチタン酸アルミニウムの焼結性" 日本セラミックス協会学術論文誌. 102. 309-311 (1994)
• [Publications] 長野将典,永島聡子,加藤昭夫: "Al_2TiO_5の合成と焼結" (社)日本セラミックス協会 1994年年会. (1994)
• [Publications] 長野将典,永島聡子,加藤昭夫: "均一沈殿法によるAl_2TiO_5の合成と焼結" (社)日本セラミックス協会 九州支部 秋季研究発表会. (1994)