1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヒドラジンを用いたペロブスカイト型化合物粉体の合成と焼結体の作製
Project/Area Number |
06650969
|
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
廣田 健 同志社大学, 工学部, 助教授 (30238414)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 修 同志社大学, 工学部・機能分子工学科, 教授 (40097861)
|
Keywords | ヒドラジン / ペロブスカイト / ランタンクロマイト / 固溶体 / マグネシア / クロミア |
Research Abstract |
本年度はペロブスカイト構造のLa_<1.0>(Cr_<0.85>Mg_<0.15-x>Co_x)O_3(x=0,0.05,0.1)について,粉体の合成と焼結体の作製を検討した.この組成の焼結体は立方晶ZrO_2を固体電解質とする燃料電池(SOFC)の空気極材料として期待されている.しかしながら,難焼結性のため緻密な焼結体は得られていなかった.本研究ではLa,Cr,Mg,およびCoの塩化物と,ヒドラジン一水和物を用いて粉体を合成した.生成した粉体は非晶質であり加熱すると480°-535℃で単斜晶のLaCrO_4相が結晶化し,さらに775°-860℃で斜方晶ペロブスカイト構造のLaCrO_3相に転移した.粉体の粒子径は600℃で【surface chemistry arrow】0nm,1000℃で【reverse surface chemistry arrow】00nm,1200℃で【.left filled circle.】0nmであり,上記組成の微粒子が調製できることがわかった.次いで粉体を1000℃で1h仮焼し,さらに冷間静水圧プレス(350MPa)成形した後,1600℃で2h焼結した.焼結体の相対密度は94-96%であり,固相反応(1600℃で焼結)で作製された焼結体(【symmetry】5%)に比べて大幅に焼結性が向上した.焼結体の1000℃での電子伝導度はx=0-0.1の組成でσ=8.8-7.7S/cmであり,固相反応(1900℃で焼結)で作製されたLa_<1.0>(Cr_<0.9>Mg_<0.1>)O_3およびLa_<1.0>(Cr_<0.8>Mg_<0.2>)O_3焼結体(相対密度95%以上)のσ=5.6-5.9S/cmよりも高い値を示した.また室温から1000℃における熱膨張係数αは,x=0の組成の焼結体でα=11.3x10^<-6>K^<-1>,x=0.05でα=11.6x10^<-6>K^<-1>,x=0.10でα=12.6x10^<-6>K^<-1>であり,Coの微量添加で熱膨張係数を制御できることが明らかとなった.
|