1995 Fiscal Year Annual Research Report
超高温発熱反応一動的圧縮プロセスによるセラミックス複合材料の瞬間焼結
Project/Area Number |
06650970
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Research Institution | FACULTY OF SCIENCE AND TECHNOLOGY,RYUKOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大柳 満之 龍谷大学, 理工学部, 講師 (30213888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 光恵 龍谷大学, 理工学部, 教授 (80029826)
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Keywords | 燃焼合成 / 炭化チタン / 金属間化合物 / 複合材料 / 動的圧縮 / 非平衡 |
Research Abstract |
燃焼合成により作製する物質系は、従来から研究蓄積のあるチタンの炭化物系である。例えば、チタンと炭素及びアルミニウムの混合圧粉体を固体圧力媒体である鋳物砂などの内部に包埋し、炭素リボンシートの発熱抵抗体への通電により反応物に着火して、燃焼合成反応を誘起させる。反応直後に圧力媒体である鋳物砂への迅速な圧力印加により、試料に擬等方的な動的圧縮を与える。反応は燃焼合成装置内を圧媒体で満たし、その内部で行う。圧力印加は、自動油圧システムを用いて、50〜150MPaの圧力で行う。反応にともなう温度上昇プロフィールと圧縮にともなう印加圧力プロフィールを高速サンプリング型メモリーレコーダによって追跡、コンピュータ内にデータを蓄積する。コンピュータ内に収録した反応-圧縮時の温度・印加圧力プロフィールから、圧縮時の反応温度、温度上昇から圧力印加までの時間及び加圧時間を解析した。実験に先立ち、系の反応温度や溶融率の計算などを断熱系で予測、原料成分比と緻密化を促進する溶融分率と実際の生成物かさ密度の相関を検討した。また、得られた生成物相、組織および機械的性質を調べた。 本研究で動的圧縮に用いたプレスの絶対圧は約10tであるため、粒状固体圧媒中での燃焼合成/瞬間緻密化プロセスによるセラミックス単相の緻密化は、あまり促進されることはなく、密度約70%の生成物しか得られなかった。しかし、セラミックスと金属(金属間化合物を含む)複合系では、密度100%に近い生成物を得ることができた。TiC-Ni、TiC-TiAl等はその良い例である。ここでは、特にTi+xC+(1-x)Al→xTiC+(1-x)TiAlの燃焼合成反応の系につて、結論を述べる。測定した反応温度プロフィールの冷却過程では、燃焼反応後の急激な圧縮により冷却速度が一段と増加した。Ti-C粉体原料に対するTi-Al原料の混合比が40-60ユニットmol%のときに生成物のかさ密度は、約4.2g/cm^3(99%:生成物がTiC/TiAlと仮定したときの相対密度)であり、緻密化が確認された。このときの生成物のビッカース硬度は、約13GPaであった。油圧機による加圧時期は、緻密化に大きく影響した。これは試料や装置の大きさに依存するが、本実験では着火後5秒以内での圧縮が緻密化に対して有効であった。Ti-C/Ti-Alの原料比も緻密化に大きく影響した。Ti-C成分が多いとTiCが瞬時に骨格構造を生成し、100MPaの圧力では緻密化されず、Ti-Al成分が多いと生成する金属間化合物を溶融させるのに充分な発熱量を確保できないためやはり緻密化しなかった。
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[Publications] Manshi Ohyanagi: "Diamond Embedded Tic/Ti-Al Composite Fabricated by SHS-Pseudo Isostatic Compaction" Trans. Mat. Res. Soc. Japan. 14A. 685-688 (1994)
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[Publications] 大柳満之: "燃焼合成" 龍谷理工ジャーナル. 6. 43-51 (1994)
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[Publications] Manshi Ohyanagi: "Wave Velocity and Kinetics of TiC Combustion Synthesis" Advances in Sciences and Technology. 3C. 1949-1956 (1995)