1994 Fiscal Year Annual Research Report
セラミック分離膜生成過程における超微粒子層形成および焼結条件の影響に関する研究
Project/Area Number |
06650971
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
富上 健次郎 和歌山工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (80043529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩路 修平 和歌山工業高等専門学校, 物質工学科, 講師 (90178848)
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Keywords | 超微粒子 / セラミック膜 / 焼結 |
Research Abstract |
代表的なセラミックス粒子であるSiO_2超微粒子をもとにしたセラミック分離膜合成法について、実験的検討を行い、以下の知見が得られた。 1.気相化学合成法により合成される超微粒子層は、1次粒子の大きさ、堆積層厚み、堆積層構造の点で、焼結特性に大きく影響を及ぼす。焼結によりセラミックス分離膜を合成する場合、1次粒子径としてはおよそ0.05μm以下であれば、バルク融点よりも十分に低い温度での焼結により膜構造を形成することが可能である。 2.生成する1次粒子は、反応混合ガス中の原料濃度を低くすることで小さくできるが、原料濃度が低すぎると成膜速度も小さくなる。1.の結果とも併せて、実用的な微粒子層形成のためには原料濃度として2%程度が適していることがわかった。 3.気体放電反応により1次粒子を合成する場合、その生成効率には反応ガスの中で酸素濃度の影響が特に大きく、経済的面からみた最適濃度が存在する。 4.本研究で提案した放電による1次粒子および粒子層形成では、通常の熱沈着状態に比べて緻密な微粒子堆積層が形成される。本方法で得られる粒子層は、静電気的な捕集を行った場合に近い状態であった。また、反応ガスの流速(反応場への滞留時間)のみで粒子捕集効率(成膜速度)を制御することができる。 5.微粒子層の焼結方法に関しては、定速昇温焼結法について検討を行い、10〜20℃/分の昇温速度は焼結後の構造に大きくは影響しないことが確認された。また、膜構造が得られるための焼結時間は1次粒子径に依存することが確認された。
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