1995 Fiscal Year Annual Research Report
セラミック分離膜生成過程における超微粒子層形成および焼結条件の影響に関する研究
Project/Area Number |
06650971
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Research Institution | Wakayama National College of Technology |
Principal Investigator |
冨上 健次郎 和歌山工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (80043529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩路 修平 和歌山工業高等専門学校, 物質工学科, 講師 (90178848)
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Keywords | 超微粒子 / セラミック膜 / 焼結 |
Research Abstract |
昨年度の検討において得られた知見に基づき,シリカ(SiO_2)超微粒子をベースにしたセラミックス分離膜の焼結による合成法に関する実験的検討を行い,以下の知見を得た。 1.本研究で提案された粒子合成法では,通常の原料(四塩化珪素等)以外の有機珪素化合物を原料としてもSiO_2超微粒子を容易に合成することが可能である。この場合,1次粒子としては,有機基を含んだユニークなセラミックス(SiO_2)超微粒子が合成される。これらの粒子は,一般に,分散性が高い。 2.有機珪素化合物を原料として形成される超微粒子層は,定速昇温焼結法により分離膜構造を得ることができるが,有機物の分解温度付近では,昇温速度を小さくする方が望ましいことがわかった。 3.焼結の際の昇温速度は,10〜40℃/min.の範囲が適切であり,パルス昇温等の急激な昇温による焼結では,安定した分離膜構造は得られない。また,純SiO_2超微粒子層では,1200℃程度の温度での焼結により,サブミクロン以下の孔径を有する分離膜構造を得ることが可能である。 4.焼結の際のガス雰囲気としては,空気中・不活性ガス中のいずれにおいても分離膜構造を得ることが可能であるが,不活性ガス置換中での焼結の方が塩素含有量の低い膜を得ることができる。不活性ガスの種類は,膜構造そのものには大きな影響を与えず,焼結前の超微粒子層形成条件が最終的な膜構造に大きく影響する。 5.バルク融点差があまり大きくない2種類の粒子については,本研究で提案した方法により,複合セラミック分離膜構造を得ることが可能である。 6.1次粒子合成反応を弱電離プラズマ中で行わせると,静電沈着(捕集)の場合と同様な緻密な微粒子層が形成され,焼結により安定した分離膜構造を得ることが可能である。
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Research Products
(1 results)