1994 Fiscal Year Annual Research Report
含フッ素α-メチレン-γ-ブチロラクトン骨格の構築における立体制御
Project/Area Number |
06650979
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
清水 真 三重大学, 工学部, 助教授 (30162712)
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Keywords | ハロフルオロ化反応 / フッ素化反応 / 位置選択性 / 立体選択性 / α-メチレン-γ-ブチロラクトン / (±)-4-フルオロ-1-エピダムシン / ラジカル環化反応 / アリル位の酸化反応 |
Research Abstract |
本研究ではシクロアルケンのアリル位のアルコキシル基を手掛かりとしたオレフィンの位置および立体選択的ハロフルオロ化反応を開発し、得られたハロフルオリドをラジカル環化および酸化を行うことにより含フッ素α-メチレン-γ-ブチロラクトン骨格を簡便に構築できることを見いだした。ハロフルオロ化反応は3-アルコキシシクロアルケンと2当量の1,3-ジブロモ-3,3-ジメチルヒダントイン(DBH)またはN-ヨードスクシンイミド(NIS)に3当量の(HF)_n・Pyを加えて行いヨードフルオロ化では65〜94%、またブロモフルオロ化では33〜80%でハロフルオロ化生成物を得た。オレフィンに対する面選択性は5,6,7員環のいずれの場合も選択的にアルコキシル基とヨウ素または臭素がsynにまたアルコキシル基とフッ素がantiに導入され、位置選択性はアルコキシル基のγ位へのフッ素の付加が選択的に進行することを見いだした。特に3-アルコキシシクロへプテンのヨードフルオロ化反応は立体および位置特異的に進行し、(IS^*,2S^*,3S^*)-1-アルコキシ-3-フルオロ-2-ヨードシクロヘプタンのみが収率78〜89%で得られた。さらに得られた(IS^*,2S^*,3S^*)-1-プロパルギルオキシ-3-フルオロ-2-ハロシクロヘプタンをη-Bu_3SnCl-NaBH_4-AIBNによるラジカル環化およびCrO_3-Pyによる酸化を行うことにより高収率で含フッ素α-メチレン-γ-ブチロラクトン骨格を構築することができた。この反応を利用してオクタヒドロアズレンを出発物質として用いた適切に官能基変換をすることによりプソイドグアイアノリド類のα-メチレン-γ-ブチロラクトン骨格を有する(±)-4-フルオロ-1-エピダムシンを立体選択的に合成することができた。
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[Publications] T.Fujisawa: "Highly Stereocontrolled Access to Trifluoromethylbenzylic Alcohols Possessing p-Substituents by the Baker's Yeast Reduction." Tetrahedron Asymm.5. 1095-1098 (1994)
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[Publications] M.Shimizu: "gem-Difluorination of 1,3-Dithiolanes with the Hexafluoropropene-Diethylaml Reagent and N-Iodosuccinimide or 1,3-Dibromo-5,5-dimethyl-hydantoin." J.Fluorine Chem.(印刷中). (1995)
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[Publications] M.Shimizu: "Silicon Tetrafluoride." Encyc opedia of Reagents for Organic Synthesis.(印刷中). (1995)