1994 Fiscal Year Annual Research Report
新規銅(I)錯体触媒を用いる二酸化炭素の固定・変換法の開発
Project/Area Number |
06650992
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
松原 凱男 近畿大学, 理工学部, 教授 (80088450)
|
Keywords | 二酸化炭素の固定・変換法 / 銅(I)錯体触媒 / アリル変換反応 / 炭酸ジアリル / アリルカルバミン酸 / 有機-水二相系 |
Research Abstract |
近年、地球規模の環境問題の中で地球温暖化への関心度は非常に高まり、その温暖化の主犯として、にわかにエネルギー消費後に大量排出する二酸化炭素がクローズアップされてきた。本申請者は、これらのバックグラウンドを基として、二酸化炭素の有効利用および有機材料資源への応用を目指し、酵素類似機能モデル系を考慮した新規銅(I)錯体触媒を用いて二酸化炭素とアリルハライドとの反応で、種々のアリル炭酸あるいはカルバミン酸誘導体合成のプロセスを設計し、銅(I)錯体触媒能について種々実験を行い、そのターンオバ-およびリサイクル性の向上について検討を加え、有機化学工業への利用を確立する事を目的とした。 本年度の研究は、酵素類似機能モデル系を考慮した新規銅(I)錯体触媒の開発として次の点について検討を行った。 (1)有機溶媒中で活性な新規銅(I)錯体触媒の検討:従来、我々が開発した銅(I)錯体触媒を用いるアリルハライドから二酸化炭素の固定・変換により、炭酸ジアリルおよびアリルカルバミン酸類を得る方法は、炭酸イオンを考慮していたのでこれら反応系を水媒体中で行っていた。しかし、この系でヒドロキシアニオンの攻撃によるアリルアルコールの副反応を伴う事が止むを得なかった。そこで、変換反応を有機媒体中で行う必要性に迫られ、種々配位子について検討した結果、銅(I)アセチルアセトン錯体が有効であることが明らかとなった。 (2)有機溶媒中への炭酸イオンの輸送方の検討:疎水基を有する種々の炭酸塩を用いて種々検討を行ったところ、均一系に乏しく良好な結果が得られなかった。そこで、反応系を有機-水二相系とし、相間移動触媒を用いて行った。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Y.Matsubara,et al.: "Synthesis of Pyrazoline Ring-Fused C_<60> Using 1,3-Dipolar Addition" JSPS 116 Committee Report. 46. 4-7 (1994)
-
[Publications] Y.Matsubara,et al.: "A Novel Method for Preparation of 5,5′-Substituted-4-Phenyl-4H-1,3,4-Thiadiazoles Using Tricthylsilyl Chloridc" Chem.Pharm.Bull.42. 373-374 (1994)
-
[Publications] Y.Matsubara,et al.: "Preparation of 2,3-Dihydro-3-Phenyl-1,3,4-Thiadiazoles" Chem.Pharm.Bull.42. 1912-1913 (1994)