1995 Fiscal Year Annual Research Report
新規銅(I)錯体触媒を用いる二酸化炭素の固定・変換法の開発
Project/Area Number |
06650992
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Research Institution | Faculty of Science and Engineering, Kinki University |
Principal Investigator |
松原 凱男 近畿大学, 理工学部, 教授 (80088450)
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Keywords | 二酸化炭素の固定・変換法 / 銅(I)錯体触媒 / アスコルビン酸銅(I)錯体 / アリル変換法 / アリルカルバミン酸類 / アリルカルバミン酸エステル類 |
Research Abstract |
本研究は、二酸化炭素の有効利用および有機材料資源への応用を目指し、酵素類似機能モデル系を考慮した新規銅(I)錯体触媒を合成し、それを用いて二酸化炭素とアンモニアの反応物である炭酸アンモニウムとアリルハライドとの反応で、医薬、農薬の原材料となりうるカルバミン酸誘導体合成のプロセスを検討し、有機工学化学に新しい先導的分野を開拓しようとしたものである。本年度は以下の結果が得られた。 アリルカルバミン酸誘導体合成開発:3-クロロ-1-プロペン、1-クロロ-2-ブテンおよび3-クロロ-1-ブテンからアリルカルバミン酸誘導体への合成法の開発について種々検討を行った。その結果、アルゴン雰囲気下、アスコルビン酸銅(I)錯体を用いてDMSO-H_2O(9:1)混合溶媒中、炭酸アンモニウムとアリルハライド類との反応を行なった結果、比較的穏和な条件で反応は進行し、それぞれ対応するアリルカルバミン酸およびアリルカルバミン酸エステル類が良好な収率で得ることが明らかとなった。 工業化を目指したプロセスの開発:相間移動触媒系ならびにミセル系モデルについて検討を行なった。その結果、いずれの系においても、それぞれ対応するアリルカルバミン酸およびアリルカルバミン酸エステル類の生成よりも、水系から生成する水酸アニオンの求核攻撃によるそれぞれに対応するアリルアルコール類の生成が優先することが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 松原凱男: "Intramolecular Charge Transfer Interaction in 1,3-Diphenyl-2-pyrazoline Ring-Fused C_<60>" J. Org. Chem.60. 5372-5373 (1995)
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[Publications] 松原凱男: "Carbon Dioxude と Nitrileimine との1,3-双極付加反応による1,3,4-oxadiazolin-2-oneの合成" 薬学雑誌. 116. 255-258 (1996)