1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
06650993
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Research Institution | Ube National College of Technology |
Principal Investigator |
柿並 孝明 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (30224348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田代 昌士 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (40038576)
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Keywords | 重水素標識 / ラネ-合金 / 還元反応 / 酸性条件下 / 塩基性条件下 / 超音波照射 |
Research Abstract |
我々は重水素導入有機化合物の合成法として、ハロゲン置換フェノール類の酸化バリウムや炭酸ナトリウム重水溶液中で、ラネ-合金を作用させると重水素置換したフェノール類が得られることを報告した。この度、芳香族ニトリル化合物を取り上げて、このものの酸性条件下や塩基性条件下でのラネ-合金を用いる還元反応を試みた。ベンゾニトリル誘導体を重水酸化ナトリウム/重水(NaOD/D_2O)中でラネ-合金を作用させると、重水素が導入されたベンジルアミンやジベンジルアミンが得られることを見い出した。さらに酸性条件下での還元反応として塩化スルフリル/重水溶液中(SO_2Cl_2/D_2O)で、ラネ-合金を作用させると酸性溶液中からは、重水素が導入されたベンジルアルコールが得られ、塩基性溶液中からはベンジルアミンが得られることを見い出した。この場合、投与するラネ-合金と加える酸の量を調節することにより、反応中間体と考えられるベンズアルデヒド誘導体を単離することに成功した。さらにフェニルアセトニトリル誘導体の塩基性条件下での還元反応として、炭酸ナトリウム水溶液(Na_2CO_3/H_2O)下でラネ-合金を作用させるとフェネチルアミン誘導体が得られ、炭酸ナトリウム重水溶液(Na_2CO_3/D_2O)下でラネ-合金を作用させると、脂肪族部が重水素化されたフェネチルアミン誘導体が得られることが判明した。さらにこのものの酸性条件下での還元反応として、塩化スルフリルの水溶液(SO_2Cl_2/H_2O)中で、ラネ-合金を作用させるとフェネチルアルコールが得られることを見いだした。これらの手法は合成化学的には興味ある知見と考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 柿並孝明他: "PREPARATION OF DEUTERIATED BENZYLAMINES AND PHENETHYLAMINE WITH RANEY ALLOYS INANALKALINE OEUTERIUM OXIDE SOLUTION" J.Labelled.Compd.Radiopharm. 34. 839-844 (1994)
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[Publications] 柿並孝明他: "Deuteration of Bromophenol Derivatives with Cu-Al Alloy in a D_2O Solution of Sodium Carbonate or Barium Oxide" 九州大学機能物質科学研究所報告. 8. 41-43 (1994)
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[Publications] 柿並孝明他: "Reduction of Haloanilines and Bensylmitriles with Ramey Alloys in an Aqueous Na_2CO_3 Solution" 九州大学大学院総合理工学研究科報告. 16. 307-310 (1994)
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[Publications] 柿並孝明他: "Reduction of Halophendols with Raney Alloys in a Ba(OH)_2 Agueous Solution" J.Chen,Soc.,Chem.Commun.(in press). (1995)