1994 Fiscal Year Annual Research Report
分子認識能を有する有機アルミニウム化合物を固定化反応剤とする流通系合成反応の開発
Project/Area Number |
06651015
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Research Institution | Suzuka National College of Technology |
Principal Investigator |
長原 滋 鈴鹿工業高等専門学校, 工業化学科, 講師 (80124048)
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Keywords | 分子認識 / 有機アルミニウム化合物 / ルイス酸触媒 / エステル化 / 高分子錯体触媒 / 流通系合成反応 |
Research Abstract |
分子認識能を有する有機溶媒に難溶な有機アルミニウム化合物を固定化ルイス酸反応剤として用いる流通系合成手段を確立することを目的として,本年度行った研究によっては以下のような成果が得られた。 1.流通系合成反応へ適用する有機アルミニウム触媒を用いたヘテロ官能基の変換反応の開発を行い,かさ高い配位子であるフェノール化合物とトリメチルアルミニウムから調製した,分子認識能を有するモノメチルアルミニウム化合物を触媒とするエポキシ化合物の転位を経由する新規なエステル化反応を見出した。 2.1.の新規エステル化反応に対して,トリフェノール化合物とトリメチルアルミニウムから調製した分子認識能を有する高分子有機アルミニウム化合物の反応性を塩化メチレン溶液中で調べた結果,選択性に問題が残るものの,触媒活性が確認された。 3.2.の高分子有機アルミニウム化合物を固定化反応剤としてガラスカラムに充填し,溶媒送液ポンプ,紫外可視検出器およびフラクションコレクターを組み合わせた流通系合成反応システムを構築し,ヘキサン溶出液を用いた流通系条件下でエポキシ化合物のエステル化反応の研究を開始した。現在継続中であるが,本手法によって目的のエステル化合物が溶出することがわかった。また,カラム温度(反応温度),溶出時間(反応時間)などの流通系条件の制御および溶出物(基質,反応生成物)の検出に関する基礎的な知見が得られた。 4.2.の高分子有機アルミニウム固定相と類似の構造をもつポリマー坦持有機アルミニウム固定相を合成するための基礎的研究として,クロロメチル化ポリスチレン坦体と各種のフェノール配位子のカップリング反応を一部実施した。
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