1995 Fiscal Year Annual Research Report
天然ゴムラテックスの脱蛋白と高純度化天然ゴム誘導体の合成
Project/Area Number |
06651018
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田中 康之 東京農工大学, 工学部, 教授 (80015114)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 成元 東京農工大学, 工学部, 助手 (00242248)
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Keywords | 天然ゴム / ラテックス / 蛋白分解酵素 / 加工性 / 耐水性 / 振とう酸化分解 / テレケリック液状ゴム |
Research Abstract |
未処理の高アンモニアラテックスの窒素含有率は0.3%であったが、遠心分離を1回行うと窒素含有率は0.104%、2回行うと0.089%に低下した。アニオン系の界面活性剤を加えて遠心分離を2回行うと窒素含有率は0.05%に減少し、アニオン系の界面活性剤と蛋白分解酵素を加えた後遠心分離を2回行うと窒素含有率は0.01%以下に低下した。残留窒素は4残基以下のオリゴペプチドによるものであることを確認し、これにより天然ゴムからタンパク質を完全に除去することに成功した。脱蛋白天然ゴムは、これまで問題とされてきた天然ゴムのI型アレルギーの防止に有効であることをラットを用いた研究で明らかにした。 遠心分離では小粒径のラテックスを回収できなかったが回転平膜モジュールにより小粒径のラテックスの回収を可能にし、脱蛋白ゴムの機械的強度が向上した。タンパク質を除去しても天然ゴムの物理的性質はほとんど変わらないが、粘度が低くなり加工性が向上することと耐水性が良くなることを見出だした。 精製したラテックスを65℃で3時間振ろうとすると極限粘度は約6程度に低下したが、塩化コルバトルを加えて3時間振ろうとすると3〜2.5程度に低下した。カルボニル反応試薬であるヘニルヒドラジンの存在下、塩化コバルトを加えた振とう酸化分解では極限粘度は0.5〜0.7に低下した。分解により生じた末端アルデヒド基がフェニルフドラジンにより安定化されたことを分光学的に確認した。塩化コバルトの代わりにラジカル開始剤を加え少量のプロピオンアルデヒドを添加した振とうでもゴムの分子鎖切断が起こり極限粘度は0.65まで低下した。NMR測定から分解生成物の両末端基がアルデヒドとケトンであると推定した。 精製したラテックスのグラフト化では、未処理のゴムよりも低分子量のグラフト共重合体とグロスポリマーが得られた。
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[Publications] Eng Aik-Hweo: "Determination of Low Nitrogenn Content of Puritied Natural Rubber" J.nat.Rubb,Res.8. 109-113 (1993)
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[Publications] Eng Aik-Hwee: "Seructure of Natural Rubber" Trends in Polymer Science. 493-513 (1993)
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[Publications] Eng Aik-Hwee: "Structnal Characteristics of Natural Rubber" J.Appl.Polym.Sci.Appl.Polym.Symp.53. 5-14 (1994)
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[Publications] 田中康之. 天然ゴムの高純度化とその応用. 17-23 (1994)